
このところT氏の製作意欲がとまらない。 たとえば今日はオーディオラックをこしらえてきた。 どういうものかは、あとで彼自身が説明するはず。 たとえば天板は二枚重ねで5本のバネつきネジを締めたり緩めたりして、ダンピングファクターをコントロールする。 底板にはこれまたひとひねりするボルトがニョキッと出ていたりする。

完全レストア済みのクレマンのターンテーブルを乗せて島倉千代子の古いLpをかけながら、T氏がちょこちょこと音をまとめていく。 音に芯が出て、響きのどんづまりがほぐれて、振幅がどんどん伸びていく。 そうして唄に物語と迫真が生まれて、実に楽しく音楽を聴いていられる。
T氏によれば、振動がどのようにラックを伝わっているのか、見えるのだそうだ。 そうでなければ、こんなシロモノ、できるはずがない。 プレイヤーやアンプの働きを後押ししていて音楽がじわりじわりとゆたかになっていくのだから。