2013年05月14日
TD124初期モデル ステッププーリが鳴く 2
それではエンポリウムシリーズのTD124は常にナット締めをしなければならないのでしょうか。 実際はそうではありません。 ナットを増し締めするということはナットがゆるむということです。 これはモーター回転による振動のせいで緩むと思いがちですが、実際はちょっとニュアンスが違います。 モーターが回転し発熱を繰り返してある期間がくると、4本のハウジング固定ボルトの間にわずかなギャップが発生します。
ほんのわずかなギャップが振動の性質を変えて、ステッププーリの運動性と連動したときに鳴きが発生するのです。 これはいくつか考えられるステッププーリの鳴き解消法のひとつであることは確かです。 THORENS社のエンジニアはナットの緩みを見越していたらしく、取り付けボルトに酸化促進剤を塗りナットが緩むのを未然に防ぐ策を講じています。 しかし、わずかな緩みを矯正して振動を調整するのは重要な発見です。 何故なら、TD124モーター振動のホイールバランス的な調整法はレストア後の音質チューニングに大変有効であるのがわかり、ナットの締め具合で再生音の品質レヴェルが敏感に変化するのも確認できました。
鳴きと音質の微調整が出来る、ナットを締める調整はまさにレストアの最終段階において重要なステップになりました。 またエンポリウムシリーズの後に取り付けられた傘型ステッププーリは皿型のように盛大に鳴くことはありません。 しかし、鳴かないかわりにノイズが発生しやすい性質があります。 ナットの調整締めはそうしたノイズにも対処できます。 この項 おわり
以上T氏
このナットの調整締めに関しては、あくまでT氏がレストア時に施す技術を要する手法であって、この方法を他の方が実行されてもその結果に責任は負い兼ねます。 ご了承下さい。


以上T氏
このナットの調整締めに関しては、あくまでT氏がレストア時に施す技術を要する手法であって、この方法を他の方が実行されてもその結果に責任は負い兼ねます。 ご了承下さい。