2013年05月28日

英SOUNDSALES社スピーカシステム6

専用エンクロージャの試聴
バスレフ型、ラビリンス型ともに半年がかりで仕上げ、その後のエイジング期間を取ったのですが、それでも塗装がしっかり乾き、本当の音が出るようになるにはもう一冬過ぎないと駄目でした。 試聴したのは作成後一年以上経ってからでした。 
ます、バス・リフレックス型の音の印象について。 粘り強くタフな音が特徴であり、ドラマチックな表現に長けています。 しかし、どんなプログラムソースでも良く鳴るというわけではありません。 ユニットそのものが深英国そのものの音を体現しているからでしょう。 したがって反射神経的ジャズ再生は本質的に合いません。 またこのシステムはびっくりする再生をしたりもするのです。 たとえばエルヴィス。 『好きにならずにいられない』をかけると、ハワイの青空ではなく風荒れ狂うヒースの丘が出現する。 はたまたフランス盤のボブ・ディランの『風に吹かれて』、歌い手の人間としての貧乏くささをイヤというほど露わにする。 そしてデル・モナコ、『誰も寝てはならぬ』を聴き給え。 デュアル・サスペンション・ユニットはすさまじい表現力を発揮します。 若き日のテノールが眼前で真っ赤な血を吐いてのけぞって歌っているのが見えています。 リアルさ・生々しさのケタが違うのです。 様相ではなく本質が示されているからです。 この音でこの声を一度でも聴いてしまったら、聴き手のこころに音楽の永遠がしっかりと刻印されます。 オーケストラをかければハイファイ的な音はまず出てきません。 音楽そのものが顕されて、エンクロージャのイコライザフィンの効果で音の飛び具合が顕著であり、これまでのモノーラル再生音と著しく乖離しています。 正面でなくとも横で聴いても良く、60cmでも6m離れても聴いても音質にそれほどの違いはないのです。 たしかにこのシステム、多量の毒も含んでいます。 オーディオ再生音におだやかななぐさみを求める方にはまず向きません。 いま、ここで音楽と一緒に行きたい人のためのシステムなのでしょう。
今回出来上がったラビリンス(音響迷路)型エンクロージャはバスレフ型よりも低域レインジがわずかに広くとられており、マッシヴな迫力ではバスレフに劣りますが、そのかわり幅広くフラットな特性が得られました。 プログラムソースによってもポーク感がきわめて少ないのです。 RIMG0067それゆえバスレフ型よりもおおらかで、ゆったりと聴くことが出来ます。 ラビリンス型はリリカルなのです。 それでも他のスピーカに較べると味の濃い音が出ます。 
ここまで書いてくると、このユニットの特長が見えてきます。 デュアル・サスペンション・ユニットは音楽の魂を得ようとした人が、飽くなき美への衝動に突き動かされて生み出した作品なのです。 したがって気軽に英国的な音楽表現を楽しむならばタンノイやクオードを聴いている方がずっと良いのであり、このユニットは音楽の内にある何かを掴もうとする愛好家のためのものです。 こうして聴いていても明日が無くても今この音と音楽があれば良いと思えてしまうから不思議なスピーカです。 つづく
以上T氏
RIMG0078

Dual Suspeinsion unit エンクロージャ(ラビリンス型)





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