2013年05月30日

英SOUNDSALES社スピーカシステム 7

サウンドセールス社のA‐Zアンプリファイアー
サウンドセールス社製A-Z(ADD ZEST)型アンプリファイアは英国オーディオに興味がある方であれば一度はその名を聞いたことがおありでしょう。でも、実物となると滅多にお目に掛れる代物ではありません。 ましてきちんと動作している品は皆無でしょう。 78回転時代のものはその後LP時代に改造されてしまっていることが多く、物によってはもはや元の回路がどのようなものであったかわからなくなってしまっています。 それゆえオリジナルの姿をとどめているものは、たとえガラクタ同然でもかなり高価である。 また、サウンドセールス社アンプリファイアはBBCに納入されたこともあるためか、ヨーロッパのヴィンテージマニアの間では取り合いになってはいますがこの様なことに騙されてはいけません。 およそプロ側が何かしら新しい機材を求める場合、ただ優秀だから求めるわけではない。 諸々のしがらみでもあるし、それなりの事情もあるからです。bbc こうした都市伝説等に惑わされることなく、現物を聴いて自分にふさわしいかどうかを判断すれば良いのです。 どこに納入されようが、誰が使っていようがダメなものはダメ、良いものは良い。 紹介する品は、改造の危機を乗り越えて生き残ったたぐいまれな逸品です。 LP時代最初期に作られたもので、LP用に改造する必要がなかったからです。 当時のLPカートリッジは今日よりずっと出力が大きかった。 従ってそのままではクリスタル型あるいはセラミック、よほどがんばってバリレラ型かDECCAのゲンコツぐらいしか使えません。 そこで無理を言ってシュアーM44が使えるくらいゲインを上げてもらいました。 コントロールユニット部は、真空管を使っていない球無しプリです。 球を使わずどうしてゲインを稼ぐのか、さっぱり判りません。 パワーアンプ部はEL37無帰還プッシュプル、公称出力は12W。 LPが登場した1948〜50年ごろに製作された品であると推測されますが、このくらい古いとさすがに一回のレストではなかなか直らない。 本品も何処にも不具合のない状態にするのに十数年の歳月と三度の長期間レストアを経ねばなりませんでした。 

AZ


仕上げに専用パネルを製作して取り付けてみると、低域が6㏈ほど上がってしまった。 トーンコントロールではコントロール出来る範囲を超えている。 仕方なくレストアした方に尋ねてみた所、昔のアンプには良くあることで内部の部品がコントロールユニットのシャシーの自らの振動によって影響を受けリバーブがかかったようになってしまうのだそうです。 そこでコントロールユニットを空中に浮かしてみたら、というアイデアが浮かびました。 取付けボルトを金属ではなく、プラスティック製のものに変え、さらにコイルバネとゴムで極力パネルから振動アイソレートすることにしました。 こうなるとどうしてもコントロールユニットの重みに耐えられない。 そこでコトロールユニット底部に5mm厚のゴム板をかませてみました。 コイルバネのテンションとゴム厚を調整して裸の状態に近いところまでもっていくことが出来ました。

A-Z Amplifier + Dual Suspension Moving Coil unit in Phase Invertor Systemの試聴

RIMG0652

A-Z型の特長である無帰還アンプのダンピングファクターによらない伸び伸びとした音が出てきました。 ゆったりした堂々たる音の中にきびきびとした反応力を示します。 バスレフ型エンクロジャーシステムはすでにコニサーの手元に売れておりますが、あとに完成したラビリンス型のものはオフィスにありますので、今でしたら試聴していただけます。 これをトルクの強力な英GOODSELL社製MA20型アンプで鳴らしても何の破綻もきたさない。 これが意味する所は使用しているプレイヤーがThorens TD124EmporiumとConnoisseur Type-Aであることです。 つまりデュアル・サスペンション・ユニットを充分反応させるには何より特上のレコードプレイヤーが最低必要条件なのです。 その他の品となると、これはもうCollaro社製デッキしかない。 カートリッジは標準的にはシュアーM44ですが、TANNOY社製Vari-Twinも良い結果が得られましたし、Pierre Clement社EB25またはL7Bも申し分ありません。 ただしTANNOYの場合TD124とType-Aとでは正反対の音になる。 TD124では音は明確さを保ちながら音色がコントロールされて出てきます。 Connoisseur Type-Aは、まず音色が先に出て、音の構成感は明確に示されない。 音の姿を現したと同時にすぐに他の音へすり替わってしまうからです。 つづく 
以上T氏

以前書いた印象も参照のこと

英SOUNDSALES社製モノーラルシステム試聴できます




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