2013年06月22日

FERRANTI Ribbon Pick-up

フェランティ・リボンピックアップ、聴いてみることに。 RIMG0208針圧は3g、仮のアームボードに大き目の穴を加工しアームベースを無段階にずらしてやりながら、トレースの最適位置を見極めていく、音を聴きながら。 息詰る作業は同時にオーバーハングの違いによる音の変化が読み取れ、底知れぬ能力と素性が見えてくる。 タダモノデハナイ、音の動きの滑らかさ。 盤面を這う、蛇を思わせるフォルム。 保存状態の良さこの上なく。 

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およそ音を出して聴いたピックアップシステムのなかでも、類い稀なうごきの美しさに魅入られる。 アームレストはなく、右に振ると自動的に固定される。 こんなストイックなシステム、ガラード301はもちろんTD124でもうまく反応させることはできないと直感。 Connoisseur Craftsman-2初期型かな、とT氏は判断し、それにあわせて彼が製作した専用キャビネットに収納した。 
FS12 専用トランスを通せば15mv と十分過ぎるほどの出力が得られる。
そうしてわかったのは、比べるものの無いピックアップシステムだということ。
銀色の紙で折り目正しく包まれた小箱、音色の出方は軽くスッとウソのよう。 
ヘンタイ全開の音、ひ弱さなど微塵もない。 
誰もが聴けば惹きこまれてしまうだろう。

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音楽って聞いたあとにしあわせになれるのだと、思い出した。
このシステムについては、心動かされたT氏があとで詳しく書くことになる。
これから時間をかけて面倒見ていけば、少しづつ少しづつもっと良い音になっていくはずだ。
ウィリアムソン回路で知られるD.T.N.Williamson によるデザイン。 
1953年秋にAMERICAN PRESS誌に紹介され、1954年に英国で発売されている。 Acoustical社(QUADの前身)のボスPeter Walkerはエレクトロスタティックスピーカのプロトタイプのリファレンスにこのピックアップを使用したと述懐している。 ソートーな音楽が流れていたに違いない。

Ferscana


参考ページ
FERRANTI Ribbon Pick-up

英FERRANTI 社 M1 スピーカー


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