2013年11月05日
ピエール・クレマン
仏クレマンLPカートリッヂをSME3009に取り付けてみる
仏クレマン社のモノラルカートリッヂを使うにあたっては、まず同社の専用のアームを使うのが最も望ましいのですが、残念なことに組み合わせるフォノモータは限定されます。 TD124のようなにシャシ枠のあるものはアームベースが枠に当たって取り付けられません。 ガラード301では気色がまったく違うため音色の不一致が発生してしまいます。 以前コニサーAタイプにSME3009を取り付けアダプタを介してクレマン社のカートリッヂの音を出したことを書いてみます。 クレマン社のモノラルカートリッヂの針先は本来、高耐久サファイア針が使われているということです。 ダイヤモンド針はパリ在住、元クレマン社の技術者であったベルナール氏が製作した替え針です。 これは大変助かることで、いくら高耐久と言ってもサファイア針です。 針先の減りはダイヤモンド針と比較して早いし、ストック品もほとんど無いに等しいからです。 その音色の差位はダイヤモンド針はサファイア針に比べると音の輝きがいっそう増す。 時にはブライト過ぎ、きつく感じる方もおられると思うが、サファイア針はひなびたやわらかい音が出て、自然さでダイヤモンド針より優っています。 ここで言うひなびた音とは雅と同じ感覚で捉えているものです。 コニサーAタイプの変幻自在な働きとSME3009の追従性の成せるところがアダプタを介してもクレマン社のモノラルカートリッヂの力は衰えてはいないと言うのが試聴した後の感想で、特にSME3009の音楽再生力は専用アームとはまた異なった情趣が聞き取れ、立派な音を出してくれます。 ダイヤモンド針のややきつい音を和らげ、豊かなものに仕上げてくれる力はたいしたものです。 レコードのトレース力も不足せず、かえって専用アームのようなエキセントリックな所がないので安心して使えます。 だが音の直進性、音楽の本質にわき目も振らず飛び込んでいくといった表現力は専用アームに比べて減衰するのはいたしかたありません。 有体にいえばクレマン社のカートリッヂとSME3009の組み合わせでは、火中の栗は拾わないということになる。 このことさえ充分リスナーが理解しておけば、SME3009でも充分クレマン社のモノラルカートリッヂの音色は楽しめます。
クレマン社78回転カートリッヂ
仏クレマン社のカートリッヂには、ボディが赤く塗られたLP用と銀の78回転用があります。 LP用の方は最近人気が急に出てきましたが、本当にすごいのは78回転用の方です。 78回転用カートリッヂの再生音は、今まで私たちが知っている78回転用のカートリッヂの常識を見事に打ち砕いてくれる製品で、峻烈でキレのある色彩豊かな音です。 何より、音の切れ込みの後に感じられる一種独特の甘さ、清楚な香りを伴っていて、聴く人に音楽の喜びを実感させてくれるのです。 いかにもクレマンの音と思われる音がそれだけで他の78回転用カートリッヂと比べて秀いでているとするのは考え方が甘いとも思うのです。 というのは英国の78回転用カートリッヂの音を私はまだ本格的に聴いてはいないからです。 クレマン社の78回転用カートリッヂに負けない音を出してくれる品があるに違いないのです。 それらの品は現在では入手が困難である。 したがって現時点でフランス盤78回転レコードを聴くことに限定すれば、このカートリッヂに比肩するものはないと思う。 この優れたカートリッヂを本当に生かすには、それなりの技が必要になります。 まず出来る事ならクレマン社製レコードプレイヤ(ホームユース用の小型のものでも良い)を使うことがこのカートリッヂを本当に生かすには必要になります。 次にアンプリファイアはなるべく強い個性を持つものよりニュートラル性を持つものの方が望ましい。 当店のテストでも英国グッドセル社のアンプより、むしろフィリップス社のプリメインアンプやB&Oのパワーアンプとフィリップス社の設計図に製作された簡易型のプリとの組み合わせの方が良かった。 スピーカはフランスの音を出そうとするなら、やはり50~60年代に製造されたSUPRAVOX社製スピーカが適応します。 この時代のSUPRAVOXは現行のSUPRAVOX製品とは別物であり、素晴らしい音を出します。 英国のスピーカでも中にはクレマンのカートリッヂに反応するものもあるでしょうが、それを探し出すのはなかなか難しいでしょう。 話が横道にそれてしまいました。 まだクレマン社の78回転用カートリッヂの一番の持ち味を書いていません。 クレマン社の78回転用カートリッヂの一番の持ち味は、ピアニシモからフォルテシモに到るダイナミックスを見事に再生する音楽表現にあります。 エキスパンド(拡張)の効果)が高い78回転の聴覚的な周波レインジ。 78回転レコードをLP並みに再生してくれるカートリッヂ自体がフォノイコライザの可変力に似た力を持っているのでしょう。 フランスの78回転盤自体、他国の78回転盤よりもノイズが格段に少ないこともありますが、このカートリッヂにも特有のノイズ成分を減少させてくれるはたらきがあります。 クレマン社の78回転カートリッヂの大きな資質です。 つづく
以上T氏
仏クレマン社のモノラルカートリッヂを使うにあたっては、まず同社の専用のアームを使うのが最も望ましいのですが、残念なことに組み合わせるフォノモータは限定されます。 TD124のようなにシャシ枠のあるものはアームベースが枠に当たって取り付けられません。 ガラード301では気色がまったく違うため音色の不一致が発生してしまいます。 以前コニサーAタイプにSME3009を取り付けアダプタを介してクレマン社のカートリッヂの音を出したことを書いてみます。 クレマン社のモノラルカートリッヂの針先は本来、高耐久サファイア針が使われているということです。 ダイヤモンド針はパリ在住、元クレマン社の技術者であったベルナール氏が製作した替え針です。 これは大変助かることで、いくら高耐久と言ってもサファイア針です。 針先の減りはダイヤモンド針と比較して早いし、ストック品もほとんど無いに等しいからです。 その音色の差位はダイヤモンド針はサファイア針に比べると音の輝きがいっそう増す。 時にはブライト過ぎ、きつく感じる方もおられると思うが、サファイア針はひなびたやわらかい音が出て、自然さでダイヤモンド針より優っています。 ここで言うひなびた音とは雅と同じ感覚で捉えているものです。 コニサーAタイプの変幻自在な働きとSME3009の追従性の成せるところがアダプタを介してもクレマン社のモノラルカートリッヂの力は衰えてはいないと言うのが試聴した後の感想で、特にSME3009の音楽再生力は専用アームとはまた異なった情趣が聞き取れ、立派な音を出してくれます。 ダイヤモンド針のややきつい音を和らげ、豊かなものに仕上げてくれる力はたいしたものです。 レコードのトレース力も不足せず、かえって専用アームのようなエキセントリックな所がないので安心して使えます。 だが音の直進性、音楽の本質にわき目も振らず飛び込んでいくといった表現力は専用アームに比べて減衰するのはいたしかたありません。 有体にいえばクレマン社のカートリッヂとSME3009の組み合わせでは、火中の栗は拾わないということになる。 このことさえ充分リスナーが理解しておけば、SME3009でも充分クレマン社のモノラルカートリッヂの音色は楽しめます。
クレマン社78回転カートリッヂ
仏クレマン社のカートリッヂには、ボディが赤く塗られたLP用と銀の78回転用があります。 LP用の方は最近人気が急に出てきましたが、本当にすごいのは78回転用の方です。 78回転用カートリッヂの再生音は、今まで私たちが知っている78回転用のカートリッヂの常識を見事に打ち砕いてくれる製品で、峻烈でキレのある色彩豊かな音です。 何より、音の切れ込みの後に感じられる一種独特の甘さ、清楚な香りを伴っていて、聴く人に音楽の喜びを実感させてくれるのです。 いかにもクレマンの音と思われる音がそれだけで他の78回転用カートリッヂと比べて秀いでているとするのは考え方が甘いとも思うのです。 というのは英国の78回転用カートリッヂの音を私はまだ本格的に聴いてはいないからです。 クレマン社の78回転用カートリッヂに負けない音を出してくれる品があるに違いないのです。 それらの品は現在では入手が困難である。 したがって現時点でフランス盤78回転レコードを聴くことに限定すれば、このカートリッヂに比肩するものはないと思う。 この優れたカートリッヂを本当に生かすには、それなりの技が必要になります。 まず出来る事ならクレマン社製レコードプレイヤ(ホームユース用の小型のものでも良い)を使うことがこのカートリッヂを本当に生かすには必要になります。 次にアンプリファイアはなるべく強い個性を持つものよりニュートラル性を持つものの方が望ましい。 当店のテストでも英国グッドセル社のアンプより、むしろフィリップス社のプリメインアンプやB&Oのパワーアンプとフィリップス社の設計図に製作された簡易型のプリとの組み合わせの方が良かった。 スピーカはフランスの音を出そうとするなら、やはり50~60年代に製造されたSUPRAVOX社製スピーカが適応します。 この時代のSUPRAVOXは現行のSUPRAVOX製品とは別物であり、素晴らしい音を出します。 英国のスピーカでも中にはクレマンのカートリッヂに反応するものもあるでしょうが、それを探し出すのはなかなか難しいでしょう。 話が横道にそれてしまいました。 まだクレマン社の78回転用カートリッヂの一番の持ち味を書いていません。 クレマン社の78回転用カートリッヂの一番の持ち味は、ピアニシモからフォルテシモに到るダイナミックスを見事に再生する音楽表現にあります。 エキスパンド(拡張)の効果)が高い78回転の聴覚的な周波レインジ。 78回転レコードをLP並みに再生してくれるカートリッヂ自体がフォノイコライザの可変力に似た力を持っているのでしょう。 フランスの78回転盤自体、他国の78回転盤よりもノイズが格段に少ないこともありますが、このカートリッヂにも特有のノイズ成分を減少させてくれるはたらきがあります。 クレマン社の78回転カートリッヂの大きな資質です。 つづく
以上T氏