2014年01月15日

TD124 Mk.2 の実像に迫る 2

TD124 Mk.2 と コニサークラフツマン社製フォノモータの影響
これから書くことは少々想像力が飛躍しすぎと呆れられるかもしれません。 しかし、これはレストアしながらひしひしと感じられるのです。 コニサー社のフォノモータとりわけ1959年あたりに作られたBタイプ、クラフツマン供△よび63年に発売されたクラフツマン靴竜々修蛤得顕擦TD124Mk.2 の開発に大きな影響を与えたと考えているのです。 とりわけBタイプとクラフツマン況燭牢袷瓦淵好謄譽用のためのフォノモータプレイヤであること、つまりTD124 Mk.1がモノーラルとステレオ両方の再生をそつなくこなすタイプであるとするならBタイプとクラフツマン況燭呂茲螢好謄譽再生に威力を発揮するよう作られており、時には勢いあまってモノーラルなのにステレオのように再生してしまうほどです。 この二台のフォノモータに当時の英国のステレオ用アームとカートリッヂを組み込んでTD124と聴き比べをすればどうなるか、皆様は想像できないかもしれませんが、グレイでは数年前から取り組んでいます。 はっきり言って英国人の感覚で比較したら完全にTD124の負けです。 英国人の音の好みからしたらTD124は音が重く、どんくさく聴こえてしまう。 エレガントさ、ソフィスティケイトさがどうしても足らない。 当時のトーレンス社の技術者達がもしBタイプや況燭魄媼韻係Φ罎靴燭伐渉蠅靴董彼らを驚嘆させたのは何よりコニサー社のA.R.サグテン氏が考案した独創的な機構だったと思います。 スイス文化が尊ぶ高い精度を誇る揺るぎない機構こそが、回転の安定性を保ちなおかつ音楽再生において深い洞察力をもって音楽の本質をとらえるとする心情からは及びもつかないフラフラな回転機構を持ち、ワウフラッタは物理特性より人間の聴覚に任せるという、およそ製品として許しがたい働き方をします。 それにも関らず得られる再生音は極上です。 しかも価格はTD124よりずっと安い。 コニサー社の製品はTD124の主な輸出国であった米国ではほとんど販売されることはありませんでした。 デリケイトで扱いにくく、しかも毀れやすい製品だったので米国のユーザには受け入れられなかったのでしょう。 英本土または連邦国以外の市場に出回ることはありませんでした。 つまりコニサー社製レコードデッキはオーディオ市場ではTD124の敵には成り得ませんでした。 しかし、それでトーレンスの技術者達や経営者達が納得するだろうか。 誇り高いスイス人のことです、何としてもBタイプやクラフツマン況燭防蕕韻覆た靴靴TD124を開発しなければならないと考えるはずです。 これがトーレンス社にMk.兇粒発を急がせた要因の一つと推測する所以です。 この話は勝手な想像であり、論理的な確証が足りないのはたしかですが、思い当たる節があります。 クラフツマン況燭筌ラフツマン祁燭虜得顕擦蛤芭匹Mk.兇創りだす再生音とが、似ているという事実です。 Mk.2の性能のレベルを徐々に上げていくとコニサーの音に近づいていくのです。 音楽の本質が自由運動であることを最良のTD124Mk.2とクラフツマンのフォノモータが同時に示してくれるのです。 一体にTD124とコニサーは回転機構の様式が水と油ほど異なるのに、共通する音の世界を得られるとは。 やはりアイデアの段階で何かしら思考・思想の共通点が存在したと思わざるを得ません。 創造者にあっては、機構とは目指すべき目的のための足がかりであり方便にすぎません。 ここまでの話はおそらく誰も知らない話です。
カートリッヂ界からの干渉
1963年シュア社はM44カートリッヂを発表します。 これはカートリッヂの始まりと終わりを意味するものです。 始まりとは、シュアM44の完成をもってステレオカートリッヂの確固たる原型が出来上がったからです。 一旦原型が出来上がれば、あとは上手にモデファイしていけば良い。 シュア社はM44のあと、すかさずV15タイプを世に出しますが、あまりうまくいかなかったようで、その後何度も手直しを行っている。 終わりとは何か、それは新時代のステレオカートリッヂとは本質的に無国籍性をもち、それ以前のモノーラル時代からステレオ最初期にかけてのカートリッヂにある固有の国籍に根差した独自の音作りがもはや古いものであることを示唆したのです。 新しい時代のカートリッヂはそれまでの固有の音色と魅力の代わりに、追従性を持ってステレオ時代に望んだのです。 そしてこの追従性が併せ持つもう一つの顔が無国籍性です。 シュアM44の音はアメリカの音ともヨーロッパの音とも、英国の音とも違います。 どこの国にも属しません。 それゆえどこの国のアンプやスピーカにも適合するのです。 カートリッヂの固有の働きによる力のバランスが崩れて無国籍化と追従性がイコールでないと、どうなるのでしょう。 答えは音が根なし草、流れものになってしまう。 シュアV15がM44に及ばないのは何も財布の中身を気遣っているためではない。 ちゃんとした理由があるからお薦めしているだけなのです。 1963年発売時、M44はこのようには認められてはいませんでした。 しかしトーレンス社の技術者たちは、M44の本当の実力を見抜いていたはずです。 特にその無国籍性と追従性がステレオ再生において大きな意味を持つことも、その結実した姿を今は知ることができます。 シュアM44とSME3009とコンビを組んだMk.2はMk.1よりずっと早く自らの存在を再生音の内に溶け込ませ姿を消すことができます。 そして我国のTD124を所有される方にMk.気茲雖兇鮖っておられる方が割合多い理由も判ったのです。 Mk.2のワールドスタンダード力、適応力がそうさせたのでしょう。 最初で最後と言ったとおり、シュアM44に匹敵する追従性をもったカートリッヂはその後とうとう出てきませんでした。 以後のカートリッヂはどこか中途半端なところがあり、固有の音色と追従性の間を振り子のように揺れ動いてばかりいるものがほとんどであったからです。 この項おわり

この頃になってグレイではようやくMk.2本来持つ再生音の姿がはっきり見えている。
T氏がフルレストアのコアな部分をしかりと体得したからだろう。




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