2014年02月01日

TD124Mk.2 その音の世界 9

TD124Mk.2の基本調
古典的アイドラ型プレイヤには、それぞれに固有の基本調を持っているように思えてなりません。 交響曲にある基本調みたいなものです。 残念ですがこのプレイヤはこの調、あのプレイヤはあの調、と的確に言い当てることは私にはできません。 たとえばGARRARD301を聴いても判りませんし、CONNOISSEURに到ってはトリスタン並みに調が動くのでつかみきれません。 ただTD124は割合判別しやすいのです。 Mk.1エンポリウム仕様は基準としてはニ長調であり、メタルスピンドル軸受が組み込まれた2万番台からはヘ長調、それからMk.2はMk.1の部品が混ざっている初期はニ長調とヘ長調を揺れ動きますが、やがて部品がすべてMk.2仕様になる7万番台からはハ長調に変化していきます。 TD124全体としてはなべて長調ですが、時には短調になることも当然あります。 この長調と短調のバランスのあり方が再生音にある音楽表現力と音の陰影の出来不出来に深く関わっているのです。
あまり多く短調にバランスが動くと、音に伸びやかさが不足しますし、音色も当然暗くなります。 言い換えれば長調は拡張を受け、短調は圧縮を受け持つといっても良いでしょう。 ですから個体のバランスが短調に傾いて、いわゆる短調化していくと再生音はつまらないものになってしまいます。 どういう風にして短調化したTD124が生まれるのでしょう。 2割くらいは生まれついてのもので、あとの8割は育てられ方によって形成されます。 ヒドイ使われ方をされるとそうなるものなのです。 グレイではこうしたTD124をヤサグレTD124と呼びます。 根性がねじ曲がってしまうと、レストアするにも相当手こずります。 もちろん機能的には正常に動作はしますが、肝心の音が音楽に対して反応しにくいので、本来のTD124とは言えないからです。 このブログでもTD124のユーザにレストアを強く勧めるのはヤサグレTD124になっていくのを少しでも防ぎたいと願うからです。 つづく
以上T氏
 



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