2014年04月01日

トーンコントロールのこと

録音特性(イクォライジング・カーヴ)セレクタとトーンコントロールは密接な関係にあります。 モノーラルLPから初期ステレオを適切な録音特性に合わせて再生するのは、今となっては常識となりました。 同時にこの回路と連結してはたらくトーンコントロールも必要不可欠です。
LPの誕生以来、創始者たちはアンプリファイアの分野で才気溢れる見事な回路を次々に世に問うてきました。 レコードから最良・最上の音楽を導き出すために。 ユーザにとって、これらの回路の存在は音楽表現力そのものからの問いかけでも答えでもありました。 つまり、あなたがこうした回路(録音特性セレクタ・トーンコントロール)を操作する行為、それ自体が音楽の創造につながるのです。 ですから、誰もが再生という場では創造者に成り得るのであり、これらの回路を持たないコントロールアンプ(プリアンプ)では決して得ることが出来ないアナログ再生の妙をこころゆくまで味わうことが約束されるのです。

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この国のオーディオ界では、長い間トーンコントロールは無用の長物とみなされ、時には単なるお飾りとして無視され続けてきました。 リニア・オーディオの思想からすれば、トーン・コントロール回路は電気信号にとっては障害物でしかありませんでした。 結果、トーンコントロール回路が設けられているコントロールアンプを所有していても、その効能・はたらき方や操作法について明確な説明がなされないままに今日に至ったのです。
これは真にアナログ再生を果たす上で、あってはならない不幸なことでした。 トーン・コントロールは単に低音と高音を増減するつまみと勘違いし、自分のアンプはレヴェルが高いからバランスが整っているから触る必要がないと妄信して、音楽の果実を取り損ねてきた愛好家がほとんどなのですから。 
ヴィンテージレコードの質の高さが知れ渡った今日こそ、トーンコントロール回路が持つ可変力がより重要な意味を持って浮かび上がってくるのです。 つづく
以上T氏


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