2014年09月03日
回転する速度 4
それぞれの時間
たとえば、レコードとレコードプレイヤ、それぞれが独自に凝個した時間を保有している、これを前提として考えを進めてみましょう。 そうでないと、両者の相関関係は説明しにくくなります。
それぞれに凝固した時間は静的にあります。 それが実際に回転を開始すると、凝固した時間が流動し始めます。 この時主導権はレコード側にあります。 プレイヤはレコードに表示されている回転数に従わなければならないからです。 針先がレコード盤面上に降りると、主導権はプレイヤ側に移ります。 レコードに刻まれた電気信号暗号体を解析し整え増幅を図るからです。 別の言い方をすればレコードそのものの在り方をプレイヤが示すのです。 一見主導権が移ったかのように見えますが、実は電気信号を介してレコードがプレイヤを操っているとも考えられます。 それが証拠に、良質な再生をしようとすると、プレイヤ部の調整をしなければなりません。 しかも良質なレコードほどプレイヤの働きざまに注文をつけます。 無意識のうちにユーザは再生時にこうしたレコードとプレイヤのせめぎ合いを感じ取っているのです。 レコードとプレイヤの主導権については表ざたになることはありませんでした。 これは欧米のオリジナルレコードや初期盤をユーザが本気に意識するようになって、初めて音楽の更なる深い再生を始めたのです。 初期盤が本格的に市場に出始めて20年余り、現在では良質なレコードが送る複雑なサインに応えられるレコード愛好家が増え始めています。
LPレコードは通常33+1/3ということになっています。 これは測定器で簡単に確かめられます。 しかし、その回転速度でレコードに刻まれた音楽が本当に最上の状態で再生されているのかどうかとなると、話は別です。 回転がわずかに早め、あるいは遅めの方が良いかどうかは、結局はユーザの耳で判断することになります。 プレイヤの音楽表現能力が高ければ高いほど、潤いのある伸びやかな速度が簡単に見つかるはずです。
これは余談になりますが、英COLLARO社製フォノモータは33 1/3回転よりも少し早く回転します。
ヴィンテージ時代のことですから、カートリッヂの針圧がずっと大きく、その分のキャパシティを稼いでいたということも考えられますが(仏PIERRE CLEMENT社製プレイヤもわずかに早め)、どうもそれだけではないようです。 私はこうも想像するのです。 COLLAROというフォノモータの音色と音楽表現力によって、この回転数で良いということにしたのではないでしょうか。 ちょっと早めの方が良いと、エンジニアが決めた。 しかし、COLLAROには速度調整機能が付いていません。 この速度で聴くのが一番良いには違いありません。 これをわざわざ遅くしてピッタリ33 1/3回転速度で聴くのはヤボというもの。 電圧を下げれば定速回転にはなりますが、引き換えに安定性に欠き、音楽から力を少しく弱めてしまうのですから。 つづく
以上T氏
このお話は分かりにくい。 よーするに、微調整つまみをほんのわずか回して、響きが澄んで、潤いのある音色が出るところを探せばよい。 回してもそうならない場合は、プレイヤをもっと整備してやる。 どんな装置でも、そういう風になると思ったら大間違いだ。 装置は平等ではない。 犬と同じく手入れと散歩と愛情が欠かせない。
たとえば、レコードとレコードプレイヤ、それぞれが独自に凝個した時間を保有している、これを前提として考えを進めてみましょう。 そうでないと、両者の相関関係は説明しにくくなります。
それぞれに凝固した時間は静的にあります。 それが実際に回転を開始すると、凝固した時間が流動し始めます。 この時主導権はレコード側にあります。 プレイヤはレコードに表示されている回転数に従わなければならないからです。 針先がレコード盤面上に降りると、主導権はプレイヤ側に移ります。 レコードに刻まれた電気信号暗号体を解析し整え増幅を図るからです。 別の言い方をすればレコードそのものの在り方をプレイヤが示すのです。 一見主導権が移ったかのように見えますが、実は電気信号を介してレコードがプレイヤを操っているとも考えられます。 それが証拠に、良質な再生をしようとすると、プレイヤ部の調整をしなければなりません。 しかも良質なレコードほどプレイヤの働きざまに注文をつけます。 無意識のうちにユーザは再生時にこうしたレコードとプレイヤのせめぎ合いを感じ取っているのです。 レコードとプレイヤの主導権については表ざたになることはありませんでした。 これは欧米のオリジナルレコードや初期盤をユーザが本気に意識するようになって、初めて音楽の更なる深い再生を始めたのです。 初期盤が本格的に市場に出始めて20年余り、現在では良質なレコードが送る複雑なサインに応えられるレコード愛好家が増え始めています。
LPレコードは通常33+1/3ということになっています。 これは測定器で簡単に確かめられます。 しかし、その回転速度でレコードに刻まれた音楽が本当に最上の状態で再生されているのかどうかとなると、話は別です。 回転がわずかに早め、あるいは遅めの方が良いかどうかは、結局はユーザの耳で判断することになります。 プレイヤの音楽表現能力が高ければ高いほど、潤いのある伸びやかな速度が簡単に見つかるはずです。
これは余談になりますが、英COLLARO社製フォノモータは33 1/3回転よりも少し早く回転します。

以上T氏
このお話は分かりにくい。 よーするに、微調整つまみをほんのわずか回して、響きが澄んで、潤いのある音色が出るところを探せばよい。 回してもそうならない場合は、プレイヤをもっと整備してやる。 どんな装置でも、そういう風になると思ったら大間違いだ。 装置は平等ではない。 犬と同じく手入れと散歩と愛情が欠かせない。