2015年08月04日

新しいコンセプトでエンクロージャを製作する 8

6) 大口径スピーカシステムの難しさ

15inchウーファの強大な低音と音圧をダイレクトに肌で感じてみたい。 音を浴びてみたい。 と言う欲求は誰でも心のうちに秘めているものですが、いざ実行に移すとなると、そう簡単ではありません。 さまざまな障害が出てくるからです。 それでもなお、やりたい!というならば、何故やりたい!のか、その動機を解明してみてほしいのです。 今まで聴いていたスピーカでは満足する音を出してくれなかったからではないでしょうか。 30僖Α璽侫3ウェイシステムがどうにもうまく鳴ってくれない、やはり15inchウーファでないとダメか、それも一発では物足りない、どうせなら2発入ったシステムの方が楽々と鳴ってくれるに違いない、そう思い込む方がこれまでたくさんいたのです。 これが意味するのは、我国のオーディオ機器が今日に至るまでただの一度も電気のほんとうのちから、魔力を開放することがなかったということです。 これとは別にただ単純にデカイ音を出してみたいという方々もいらっしゃいますが、これは幼児性のあらわれ、小さなお子さんはやたらと大きな音を出して喜ぶものです。 このような人たちのために、今でも15inchウーファダブル仕様のシステムは売られているのでしょう。
しかし、上記の理由とは全く別の原因で大型スピーカを必要とする人種がいます。 それは加齢による難聴であり、満足できないシステムを良い音と信じ切ってヴォリュームを上げないと低音が出ないために大音量で長年聴き続けて聴神経を痛めた方たちです。 通常の音量では聴き取れないヴェテランのオーディオマニアが増加しています。 オフィスでも椅子をスピーカの間近にもっていって聴かれる方やヴォリュームをもっともっと上げてほしいと言われる方々がいらっしゃいます。 高齢化の波はオーディオにも押し寄せてきています。 老眼ならぬ老耳です。 こうした人たちのためにオーディオ関連雑誌は特集を組んではいかがでしょう。

全く別のコンセプトで15inchウーファを使ってスピーカシステムを一から組み上げる人たちがいます。 いわゆるマルチウェイ・マルチチャンネル派です。 彼らは二種類に分けられます。 音を楽しむか、音楽を愉しむかです。 もちろんこの方式となると音楽を愉しむほうが難しいに決まっています。 調整には針一本、糸一本を聴きわけるちからとそれが音楽にどう結びつくかを適格に判断しなければならないからです。 その再生音は所有者の知的教養そのものであり、不足すれば音楽は浅く、深ければそれに応じて深く響きます。 マルチシステムをサウンドとして楽しむ場合でしたらアマチュアでも何の問題もありませんが、音楽として在らしめるとなれば、これはプロの仕事になります。 何故プロでなければならないのでしょう? それは電気の魔力が関係してくるからであり、大体このようなシステムは通常の音圧レヴェルをはるかに超える音が出るのです。 使用するスピーカユニットは業務用がほとんどなので、当然プロの仕事になるわけです。 しかし、大音量でそう長くは聴いてはいられません。 当然ある程度の音量に落ち着いてくることになります。 日本の家屋にそうした装置を据え付けるとなると、諸事情の関係もあり当然そうならざるを得ません。 その時の音量は前述した大人の大声と同じレヴェルになります。 となるとダブルウーファやコンプレッションドライヴァを使用した大掛かりなマルチシステムが30儖賈椶離侫襯譽ぅ鵐献轡好謄爐汎韻顕士未婆弔襪海箸砲覆蠅泙后 それは電気の魔力を封じることにつながります。 本来大きな音を出す目的の商品のはたらきを殺して、小音量(15inchウーファにしてみれば)で生かさなければなりません。 これを可能にするには15inchウーファの業務用なりの小音量時におけるリニアリティの高さをうまく取り入れるのがキモ。 殺して生かす、ということ。 よほどの技量の持ち主でなければ出来はしません。 それほどの達人も、世の中にはいるにはいるでしょう。 プロ並あるいはそれ以上でなければ無理というのはこういうことです。  つづく
以上T氏



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