2016年05月27日
グレイ型TD124キャビネット製作記 1
一年ほど前、スイスTHORENS社製TD124オリジナルキャビネットと同等のものが作れないか、とA氏から依頼がありました。 だが私は乗り気にはなれなかった。 こうした製作作業は本来私がやるべき種類のものではなく、木工関係の業者がすべきことだからです。 そのうえ市場では国内外でもオリジナルに似せた商品が販売されているようですし、それで充分だろうと考えていたからでもあります。
その矢先、レストア依頼されたTD124にその手のキャビネットが一緒に付いてきました。 そのキャビネットはいかにもオリジナルを模したものとして製作されており、外見の出来映えも良いものでした。 実際にレストアを仕上げたTD124を組み込んで試聴してみると、唖然としました。 高域も低域も美味しいところがスパッと切れてしまっています。 これはいかんと思った。 こうした商品がオリジナルキャビネットと外見が同じというだけで、オリジナルと準じたものとして扱われては、TD124全体に不幸を招くことになる。 いやいや(というよりヤル気ゼロ)ながらA氏の指示通り、私の考えをまとめて新しくキャビネットを作ることになってしまったのです。
私が作ったキャビネットが如何なる特長を持つものであるか、それを示すにはまずオリジナルキャビネットがどういう働きをもってTD124の再生力に貢献しているか、その構造が意味するところは何か、を説明する必要があります。 THORENS社製オリジナルキャビネット(ST104型)そのものを所有されている方はそうはいませんし、さらに高度にレストアされたTD124と組み合わせている方はほとんどいないでしょう。 そうして醸し出される再生音がどのようなものか、ただ組み合わせれば良いと思っているオーディオファイルの方々にはチンプンカンプンに違いないからです。
次回から詳しく述べていきます。
以上T氏
その矢先、レストア依頼されたTD124にその手のキャビネットが一緒に付いてきました。 そのキャビネットはいかにもオリジナルを模したものとして製作されており、外見の出来映えも良いものでした。 実際にレストアを仕上げたTD124を組み込んで試聴してみると、唖然としました。 高域も低域も美味しいところがスパッと切れてしまっています。 これはいかんと思った。 こうした商品がオリジナルキャビネットと外見が同じというだけで、オリジナルと準じたものとして扱われては、TD124全体に不幸を招くことになる。 いやいや(というよりヤル気ゼロ)ながらA氏の指示通り、私の考えをまとめて新しくキャビネットを作ることになってしまったのです。
私が作ったキャビネットが如何なる特長を持つものであるか、それを示すにはまずオリジナルキャビネットがどういう働きをもってTD124の再生力に貢献しているか、その構造が意味するところは何か、を説明する必要があります。 THORENS社製オリジナルキャビネット(ST104型)そのものを所有されている方はそうはいませんし、さらに高度にレストアされたTD124と組み合わせている方はほとんどいないでしょう。 そうして醸し出される再生音がどのようなものか、ただ組み合わせれば良いと思っているオーディオファイルの方々にはチンプンカンプンに違いないからです。
次回から詳しく述べていきます。
以上T氏