2016年07月22日

小型PARMECO用スタンド製作とアクセサリ類から見えること 4

様々なオーディオ製品を仕分けしてみると 2

スピーカシステムは完成品ならば、まぎれもなくオーディオ機器です。 実体は可動体であるユニットと受動体であるエンクロージャに分けることができます。 ユニットを裸で鳴らすときは、パーツとみなされます。 それなりに音は出るでしょうが、本来あるべき姿ではないからです。 ユニットは受動体であるエンクロージャと組み合わせてはじめてシステムとして成立します。 レコードプレイヤとキャビネットの関係と相似しています。 ただスピーカではその結びつきはより緊密です。 なぜならエンクロージャがユニットの起動により能動化する力はキャビネットのそれよりも格段に大きいからです。 再生音に対して、ユニットと同等か、時にはそれ以上にはたらくことがしばしば発生します。 こうした現象が起こるのを目の当たりにして、英国人はスピーカユニットをドライヴユニットと呼んだのでしょう。 空気をを惹起すると同時にエンクロージャも惹起する、この現象を発生させるには高い技術力と音楽への理解力と共感、能力と知識に裏付けられた確信が必要です。 そうでないと、ユニットとエンクロージャは単なる部品で終わってしまうからです。 例えば、手許にあるユニットを適当なエンクロージャに入れて動作させたとしても、それは二つの部品が一緒に取り付けられただけであり、両者の整合性は考慮されてはおらず、イデアとしてのシステムのはたらきも、製作者の音楽への情熱も活かされることもありません。 整合性と同調性を有しないユニットとエンクロージャはシステムにまで成立することなく、単に部品化してしまうのです。 
JBL HARTSFIELD のユニットを他のエンクロージャに取り付けても絶対にHARTSFIELDの音は出ないし、逆にHARTSFIELDのエンクロージャに他のユニットを入れてもやはりHARTSFIELDではありません。 ユニットとエンクロージャで働く整合性と同調性はこうしたものです。

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これはあくまでスピーカシステムが工業芸術品であったころ、ヴィンテージ時代のおはなしです。 現在となると話は違います。 スピーカシステムは商品としてパッケイジ化されています。 エンクロージャはスピーカを立派な商品に見立てるための外装品と化しています。 ヴィンテージ時代のシステムのように自然な振動を再生するのではなく、大出力動力アンプと組んで音を発生するモータ内蔵の機器ですから緊密な関係はもはや存在しません。 というか、エンクロージャそのものも変質しています。 スピーカそのものがオーディオシステム上の部品になってしまったのです。 メーカがユニットを単体で発売することをしないのも不思議です。 何か不都合でもあるのでしょうか。 同じオーディオと呼ばれていても、ヴィンテージのそれと、現代のそれと、目指すところはおよそ反対のところにある、いや、別物といったほうが良いのかもしれません。 つづく
以上T氏


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