2016年07月28日

小型PARMECO用スタンド製作とアクセサリ類から見えること 7

ステレオ再生へのアプローチ 1

ステレオ再生については、さまざまなイメージで説明されてきました。 一般的にイメージするのは左右のスピーカを使い双方の音を空間で合成することによって立体的な音場をつくり出す方式であり、聴き手は左右のスピーカを底辺とする二等辺三角形の頂点に位置すれば最良のステレオ効果が享受される、あたかも目の前に演奏者が存在する立体音場が合成される。 EPSON001これがステレオ再生法についての既知の定説です。 というか今にして思えばこれは都市伝説ではないか。 どこか怪しいのです。 
そのどれもが大樹の一葉の上で起こる現象を様相として確定するにとどまっているように思えます。 

左と右とでは 『信号が異なっている』 のがステレオです。 果たしてどれだけのオーディオマニアがそれを意識しているでしょうか。 私自身、左右の信号の差異が及ぼす効果について考え始めたのは最近のことで、欧米初期ステレオ盤を聴き始めたのがきっかけでした。

ステレオ再生、その立体音場のカラクリ。 それは『相互干渉』です。 

イメージとしては、静かな水面の左右二カ所で同時に違う大きさの石を落とします。 丸い紋が二つ出来、拡がってやがて交じり合います。 紋の形は丸から複雑な形状を示す小波となり、それが壁にあたり岸に消え、波は幾重にも変化していきます。 しかも次から次へと丸い紋は生まれ拡がり、前後の紋とも重なったりもします。 水紋は二次元として水面で展開しますし、拡がる速度もゆっくりとしています。 このようなイメージで、音は空気中を伝わります。 それは二次元ではなく三次元で(ひょっとして四次元)、ゆっくりではなく秒速360メートル前後の音速で。 それがスピーカとリスナーの間とリスニングルームという極端に狭い空間の中で起こります。 そして部屋の空気という気体は液体にくらべて粘度がはるかに低く、干渉という混じり合い、溶け合い、ハジキ合い、アオリ、渦、などの現象がいとも簡単に成立します。 三角形の音を直線の→の頂点で合成される音像と、干渉によるステレオ音場では同じ現象の説明でも随分と違って聞こえます。

EPSON006


一番上の図にある音の直線→の頂点は二個のスピーカからの音が合成されるというイメージですが、干渉という観点では、双方のスピーカの振動により生じた空気密度の濃淡という変化が音速で聴き手に届く前に相互干渉したうえで両方の耳で感知する、という離れ業をやってのけているのです。 どちらをイメージするかはお任せしますが、私個人の経験をお話ししますと、これまでは、スピーカから音を聴く、という感覚しか持ちえませんでした。 それがステレオ初期盤に針を下すと、空気感、という感覚をおぼえるようになったのです。 楽器そのものではなく、楽器の周りの空気や楽器の中を通る奏者の呼気、弦と弓と胴が響きあうところの濃密な音色、ピアノから発する響きののびやかさ、つまり楽器の直接音だけで音楽は成り立ってはいないということに気づかされました。 例えば歌手は声帯の震えだけで声をだすのではなく、硬口蓋、頭蓋骨、胸部、頭頂部、腕、下半身さえ共鳴して歌手の周りの空気を振動して空気の濃度を変化させます。 その音源から伝わってくる空気を感じて、音楽性ゆたかな再生音を聴いたと思えるようなりました。 劇場のにおいや、残響の消え方に空気感はなくてはなりません。 単なるシンバルのカツンカツン、ベースの低音などに気がいくのは真空な意識に思え、このごろはそうした密閉的な聴き方は息苦しさを覚えます。 モノーラルにしてもステレオにしても、空気感や自然な空気の振動が伝わらない再生音は、音楽含有量が少ないことが多いようです。 音を直線→にたとえた左右チャンネルの音の合成という観念で再生装置を構成するとしたら、左右のスピーカ、カートリッヂの左右信号、アンプの左右バランスがすべて等しくないと正常な空間合成は不可能である、と信じるために苦労を承知で製品を選ばなければなりません。 しかし、人間の耳は右と左では違う聞こえ方をするのを忘れていませんか。 しかもステレオレコードには左右異なる信号が刻まれています。 左右の音源から放射される空気密度の変化による相互干渉さえうまく出来れば、ステレオ再生は面白く、音楽的に再生できるはずです。 左右の耳の聞こえ方が違っていてもです。 つづく
以上T氏

*関係ない方向に進んでいるように見えるが、PARMECOやアクセサリのはなしに戻るので安心してください。


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