2016年09月23日

英 iFi社製 ステレオプリメインアンプ retro50 その13

またC3(Wharfedale Super 8)のような20cmフルレインジユニットを使用した場合、オーケストラ再生でヴィオラの音が出にくい傾向があります。 最低音域と最高音域でのエッヂが立つためにコントラバスとヴァイオリンが浮いてしまいがちなのですが、GOODSELLはヴィオラとチェロの結びつきを重視してコシの強いハーモニクスを織りなしてヴァイオリン群をサポートして独特の音場効果をもたらします。 retro50 はヴィオラはヴァイオリン群との結びつきが強く、チェロとコントラバスに対してある程度の距離をもたせて空間的な広がりを出しています。 両者の再生の在り方はユニゾンでははっきりと差となって現れます。 GOODSELLは中低域を安定させることにより聴き手の心理状態を安定させる効果があり、ゆたかな倍音成分を出してヴァイオリンと絡み合い音楽にある香りや余韻を意識させます。 retro50 はヴァイオリンとヴィオラが一緒に動くために中低域はやや離れがちになります。

EPSON001

A2とB4の組み合わせにすると、retro50 の方がずっと良い結果をもたらします。 元来GOODSELLはこのタイプのスピーカシステムには使用するものではないからです。 GOODSELLというアンプは大型スピーカを鳴らすままの力でこの小型スピーカを動かそうとします。 そのためこれがJENSENという米国製スピーカでなく、英国製スピーカであったら、すぐ破損してしまうはずです。 ヴィンテージ英国製アンプやスピーカが出力や入力をはっきりと表示していたのは、ミスマッチングな接続によるスピーカユニット破損を防ぐためだったのでしょう。 英国製のグレードの高いプッシュプルアンプはたとえ10W出力でも予想外に強い力を蓄えているのです。
retro50 はGOODSELLのような手法をとらず活発にパワーを送り込みます。 このアンプの現代性を示すものであり、本来はヴィンテージでなく現行品のスピーカにも対応可能とするためにこうした適応力のある出力スタイルを取ったものと思われます。 設計思想の柔軟さと技術力はたいしたものです。 つづく
以上T氏

retro stereo50  プリメインアンプの詳細は下記HPをご参照ください
retro stereo 50 HP
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