2016年09月30日

英 iFi社製 ステレオプリメインアンプ retro50 その16

今回はA4(TD184) と組み合わせて聴きます。 トーンアームを組み込んだTD184はレコードプレイヤとして完成されたシステムであり、THORENS社が発売したTD134やTD135Mk.1と比較して能力と完成度が上回る性能にあります。 ただし、これは初期タイプ(プラスティック軸受けと初期モータ搭載モデル)に限ったことで、一体型のメタル軸受けの中後期になるとTD135Mk.1と音はほとんど変わりません。 今回試聴にに使用しているのは初期タイプであることをまずお断りしておきます。

TD184初期タイプ トランスポート部
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センタスピンドル軸受 初期タイプ     中後期タイプ

C1のスピーカに接続してみると、TD184に備わっている機動力が前面に出てきます。 音の押し出しが強く、ステレオ的な音場を形作る時には直接音の存在感が支配的であるため、音の方向性を司るエコー成分がやや減じているように感じられます。 音色そのものは濃厚ではありますが、奥行きが不足している分音の厚みがTD124エンポリウム仕様に比べて物足りないように聞こえます。 TD184が優れている点はやはりリズム感でしょう。 切れの良いアタックにのって良く歌います。 ややざわついているのはシャシが鉄板製であるのに影響されているのでしょう。 しかし、鉄板製であるからこそ音楽の躍動感が花開くのです。 短所というより、これは長所です。 なぜならこうした音と音楽はTD184でしか出せない種類のものだからです。 他のプレイヤでは絶対に出せない音を出してこそ、ひとかどの製品であり、あたりさわりのないきれいごとの音しか出せないプレイヤではC1のような大型スピーカシステムを鳴らすことはできません。
retro50 で聴くとA4の機動力は守備的にはたらきます。 ひとつひとつの音をていねいに拾っていくのです。 GOODSELLのように強く音を前に出すことはありません。 それでもその慣らしようは悠然たるものです。 25cm径の小さな軽いプラッタを持つTD184。 レコードプレイヤは大きさではなく、そのはたらきによって存在価値が定まるのを地で行っています。
音があるべきところにぴったりおさまり、破たんをきたさない。 ここで面白いのはオーケストラの残響音がリスニングポイントの近くまでやってくることです。 これは主音部をくるんでいる倍音成分が一緒になって飛んでくる結果として感じられます。 これと同じことは実際のコンサートでも体験することがあります。 こうした音環境にいると音楽が良ければ良いほど、演奏家に共感すればするほど、気分は高揚するものです。 
音色は自然であり強引さがありません。 今までの試聴した中でA1はGOODSELLとretro50 の性格の違いを一番引き出してくれました。 つづく
以上T氏

retro stereo50  プリメインアンプの詳細は下記HPをご参照ください
retro stereo 50 HP
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