2016年10月22日

英 iFi社製 ステレオプリメインアンプ retro50 その21

retro50 でモノーラル再生する

組み合わせ試聴はひととおり終わりましたので、ステレオプリメインアンプ retro50 の片チャネルを使って、本格的モノーラル再生をするとどうなるかを試してみました。 使用機器はTD124Mk.2/英Expert社製カートリッヂ/Partridge社製BBC仕様昇圧トランス/SME3009S2初期型/英Soundsales社製ユニット+T氏製作音響迷路型キャビネットというラインアップです。 この構成はグレイが提示するニューヴィンテージの思想を具現化したものだといえます。 使用しないチャネルにはダミー抵抗をつないでおきます。
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レコードをかけてみると驚くべき切れ味のモノーラル再生音が出現します。 戦前に設計された25僖侫蝓璽┘奪促罐縫奪箸ら現代のスピーカからはまず得られるべくもない明確でありながら音楽の各そのものが格調を持って響いています。 素晴らしいのはその機動力です。 スピーカが入力信号の高い質に反応して自由闊達に音楽をさばいて見せます。 そこには明晰化にありがちなある種のいやらしさがまったく無く、システム全体が無私のこころで鳴り渡ります。 音楽の本質がアガペー(無償の愛)であるということ、それを聴き手に知らしめてくれるのです。 ヴァイオリンの再生音は峻烈でありながらすこしもきつくはなく、愛情に満ちた音で鳴りますし、ソプラノは本来スピーカユニットでは再生できない周波数特性帯域まで出ているように耳の感覚にささやきます。 これは音の伸び方の加速力が強いためにそう感じるのでしょう。 それにしても見事な音であり、音楽であります。

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retoro stereo 50 のequalization knob

ジャズを再生すると表向きはジャズらしく音は出しますが、本質においてこのシステムはジャズには共感してはいないようです。 retro50 のインターナショナルな性向をもってしても信号の始まりと終わりの部位にある英国性は変えることは出来ません。 これもretro50 のひとつの性格でもあります。 明確な意思を持つ製品に対しては素直に従います。 つまり入口のExpert社製カートリッヂと出口のSoundsales社製スピーカユニットはどちらも深英国性を根源とする製品ではありますが、再生に対する方向性は両社では相当な開きがあります。 それをretro50 が仲立ちして再生音を見事にまとめ上げています。 つまりこのモノーラル構成では完全な仲介者としての役目をやり遂げています。 仲介者までこなすretro50 には素直さという力を示してもいます。 入力される信号が上質なものであれば素直に通す音楽的ストレートアンプとして存在します。 ですから、スピーカは自由には持てる力を発揮できるのです。
モノーラル再生でretro50 が示した音楽表現力はステレオ再生とはまた異なる現象が見られたことも書いておきましょう。 細部の表現でステレオ時の曖昧さが無いのです。 むずかしいハーモニクスが入力されると、ステレオ時ではとぼけてしまうことがあります。 この辺がGOODSELL社製アンプリファイアとの格の違いと言えないことは無いのです。 それがモノーラルではGOODSELL並にディテールにわたりハーモニクスを処理してのけます。 あくまでも高次元な再生のはなしですが。
このようにretro50 で聴くモノーラル再生は、現行アンプ(ハイエンドも含めて)ではメタに出会うことのないものです。 しかし、これは変則的な使用法ではあります。 ですから、私はretro50 の製作者に現代において製作可能な高次元のモノーラルアンプをこしらえて欲しいと強く思っています。 そうすればヴィンテージのオリジナル盤の再生はより一層魅力的になるはずだからです。 つづく
以上T氏

retro50 はグレイでも販売しています。
retro stereo 50 HP
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