2016年11月12日

Eva Pedrazzi アルペジオーネソナタを聴く

スイスからペドラッツィのアルペジオーネ・ソナタが届いた。
早速聴いた。
英国育ちのヴァイスブロートのピアノから、もう楽しそうに始まる。
チェロは小川の道を笑顔で歩く。 微笑んでスキップしそうなくらいのリズムで。
それでもサビの部分ではペドラッツィ独特のキッとした決意も見せる。
歩いては立ち止まり、こころの景色を吐露していく。
そしてカンタービレ、スイス人の彼女がどこで覚えてきたのか、
まるで歌詞がついているくらいに表情はみずみずしい
これはただごとのシューベルトではない。
第二楽章の出だしの音色の美しさに魅入られる。
なんてたって、うつくしい歌、ゲイジュツではないから、うつくしい
民謡を天真爛漫に歌う、
これ、本当にアルペジオーネ?? といいたくなるくらいに気分が晴れる。
聴かせようとするわざとらしさ、というか自意識臭さがない。
『人とは違うのよ』という意識がない。
スコアをさらっていったら、こんな風になっちゃった。
そういって舌をペロリ。
聴いた後のさわやかさといったら。
およそ深刻さとか暗さとは縁のない、アルペジオーネ、
聴かせてもらって良かった
音質も水準以上のモノーラルで、こころに沁みこむ。
シューマンの幻想小品集、活きています。
彼女の演奏には殻がない、輪郭がない、とにかくうごいているのです。
どこまでいってしまうんだろう。
全編春の色です。



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