2016年12月21日

英 iFi社 retro50 番外編 エレクトリック・ディストーション 9

録音時から発生するエレクトリック・ディストーションとリニアオーディオ 続き

ポピュラー音楽でマイクロフォン内のエレクトリック・ディストーションはほとんど問題がありません。 マイクを通した音こそが、ヴォーカリストやプレイヤの音になります。 なぜならポピュラー音楽でマイクロフォンを使わないことはほとんどないからです。 シナトラは彼自身の専用マイクロフォンーイコライザに類した機器を録音時に持ち込んでいた。 自分の声がマイクロフォンによく乗るようになるからでしょう。 普段の声は大したことがなくても、一旦マイクロフォンを握ると地声からは想像もつかない美声が出てきたりする人がいます。 マイク乗りが良い声、すなわちエレクトリック・ディストーションによく反応しあう声といえましょう。 エレクトリック・ディストーションに彩られた音声は録音・ミキシング・カッティング・プレスというレコード化のプロセスを通して一層華やかさを増していきます。 レコードを買ってくれる人に楽しんでもらうためであり、販売枚数を増やすためでもあります。 こうして商品化され市場に出回ったレコードは元々が電気臭い音です。 しかし、再生側でどのように変化しても、ポピュラー音楽の場合音が楽しければそれで十分なのです。
しかし、クラシック音楽となるとそうはいきません。 元の音の原型というものがあります。 エレクトリック・ディストーションによって電気化されてしまったら、クラシックではなくもはやポピュラー音楽です。 そこでクラシックレコードの制作過程においては自然さという要素が重要視されます。 つづく
以上T氏

松竹下賀茂撮影所の録音技師が「映画の音」について語った記事を読んだ。 女優が下駄をはいて3歩あるく時のアテレコの模様だ。 フィルム画像に合わせて下駄の音を3つ出したら怒られた。 最初の1歩は普通に、2歩目は無音、3歩目はごく弱く、という風に下駄を踏んで音を出せという。 3歩なのに2歩の音、それだから女優の色気、心理状態が印象に残るのだそうだ。 「物理的同時と生理的同時は違うんや!」・・・ 経験に裏打ちされた音のほうが、測定器で正確さを追求していく音よりも、驚きがあり生々しいのはどうしてなんだ。 そのあたりを現代人の多くは意識の裏で感じている。 




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