2017年01月11日

英 iFi社 retro50 番外編 エレクトリック・ディストーション 14

ディストーションの覚醒

ナチュラル・ディストーションとエレクトリック・ディストーションの相似性を意識したのは、グレイのオフィスでブラームス第1交響曲の冒頭序奏部が再生された時でした。 P1110074なにかしら頭の中のある部分に触れたのかわからないけれど、エリック・クラプトン奏すところの「愛しのレイラ」そっくりに聴こえてしまったのです。 しかし、交響曲は紛れなく自然倍音楽器の集団による演奏であり、出てくるのはナチュラル・ディストーションのはず。 それなのに電気的なひずみを帯びているように聴こえてくるのです。 それからブラームスを何曲か、残りの3曲の交響曲、弦楽四重奏曲、ピアノ協奏曲・・・、聴きなおしてみるとどれもが見事に電気的なひずみを感じさせる音が出てきます。 こうした現象、音の響き、どう表現したらよいのでしょう。 とりあえずこれを自然電気ひずみと名付けて書いていくことにします。 この自然電気ひずみという定規を大きく回してブラームス以後の音楽をあらためて聞いていくと、思いもかけないものが浮かんできたのです。

ブラームスとブリティッシュロック その1
以前よりブラームスが紡ぎだす音の響きが、ブリティッシュロックのエレクトリック・ディストーションと似ていることに不思議さを感じていました。 ピンク・フロイド、クリーム、ディープ・パープル等、いずれも強烈なディストーションでひずみまくっています。 ことにクリームが凄い。 ロイヤル・アルバートホールでのコンサートを見ると、エレクトリック・ディストーションが渦を巻いてホールの天井を駆けのぼっていく。 ジンジャー・ベイカーの人間業とは思えないドラム、狂気に満ちたジャック・ブルースのベース、クラプトンの早弾きもみごとですが、演奏自体デタラメとしか思えません。 それぞれが勝手にプレイしているようで、それでロックになっているのが彼らのスゴイところです。 ピンク・フロイドはエレクトリック・ディストーションはきれいに整理されています。 彼らはプログレッシヴロックに分類されているけれど、実際はシンフォニック・ロックと感じます。 P1110076ディープ・パープルもどうようですが、こちらのほうはもっとロックしているので少々チープっぽい。 3つのバンドはクラシックに対して並々ならぬ興味を示しています。 クリームのジャックは交響楽団でコントラバス弾いていた経験の持ち主で、「音楽は低音の奴隷だ!!」と言い切っている。 ディープ・パープルのリッチー・ブラックモアは中世からバロックにかけての古楽に精通しており、来日した際愛人に古謡を歌わせて伴奏したくらいでした。 「スモーク・オン・ザ・ウォータ」で繰り返されるフレーズはジョン・ロードがオルガンだけで弾いたら、バロック時代のパッサカリアかと思えるほどです。 つづく
以上T氏




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