2017年09月08日

TD124とノイズ 1

50年代末THORENS社製TD124の登場により、私たちはヴィンテージレコードと同時代のアナログプレイヤの音楽再生上の力の大きさを知り得ることになります。 それを記述することは困難です。 音を聴いてもらったほうが早いからです。 ヴィンテージ時代のLPとプレイヤ相互が作用する様相は雑多にわたり絡み合っていて、ある部位について書くとそれと関連する他の部位も開設しなければならなくなるからです。 でも、それを書かないと先には進めません。 以下に簡素に書くことにしますが、読んでもらえば、その説明は非合理的だと感じられるはずです。 仕方がないことで、現象に伴う過程を省いて結論だけをかくのですから。
機械力と電気力の融合によるTD124から出力される良質な再生力の源は、モータを起点とした振動とその流れ、によって生じる可変力で創り出されています。 その仕組みを知るにはまず、シャシの形状が意味するところを感じて欲しいのです。
TD124本体には四隅に山があり、中央部に盆地が広がっています。 盆地にはモータ、プーリ、ステッププーリ、アイドラなどのトランスポート部とセンタスピンドルが組み込まれています。 向かって右側には私はバルコンと呼んでいる細いフレームで鋳造されているアームボード取り付け部があります。 
反時計回りでモータは回転し、振動はシャシに広がっていきます。 RIMG0114仮にシャシを持ち上げてみると、シャシの振動は盆地にいっぱいになり、四方八方に波及していきます。 これをキャビネットに戻して載せると四か所にあるマッシュルームゴムを介して振動は流されていきます。 キャビネットが載せるTD124の能力にそぐわないものであると、振動は素直に流れることなくシャシに蓄積されて音質は劣化していきます。 例えば積層キャビネットならばレコードをかければかけるほど音質は劣化します、振動が負債となり音が詰まり始めるし、再生音の不良債権の乱発となります。
盆地の周りの4つの山を軽く触れてみましょう。 最も振動が具現するのは、モータの近くの左奥隅になります。 ここではモータの振動はダイレクト感が強く伝わります。 次に左前隅、この部位はモータの振動がシャシ側面から流れてきます。 それともう一つ、変速カム(アイドラ高さ調整の大きなアルミ製パーツ)から速度変換レバーに繋がるスチールベルトからも振動が伝わってきます。 この二つの流れが右前隅で合流し、振動にダイレクト感はほとんどありません。 次に右手前の山に伝わってくる振動は間接的な性格のものです。 なぜならこの部位からモータまでの間には変速カムという大きなアルミ鋳造ブロック部品があって、この大きな質量が振動を吸収し、その質を可変しているからです。 つまり変速カムの位置は実に巧妙にデザインされて配置されているのです。 そしてモータの振動は下図の通り、バルコン部位とは反対方向へと巧妙に導かれていきます。 つづく 
以上T氏

RIMG0115


どんなレコードプレイヤでも回転する。 大なり小なりモータにより回転する。 回転するからには必ずノイズは出る。 ノイズが良質なものか、害なるものかにより、耳が生理的に受け付けるかどうかが決まる。
  



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