2017年09月12日

TD124とノイズ 3

モータの整流力がはたらくのはシャシだけではありません。 回転系のノイズと振動にも整流力ははたらくのです。 センタスピンドルやプラッタの回転にともなう機械的なノイズ、アイドラとプラッタの接地から発生する摩擦に起因するノイズ、ステッププーリとアイドラおよびドライヴベルトの接触ノイズと回転軸から発生するノイズ等がそれにあたります。 これらすべてのノイズがモータにベルトやシャシを伝わって流れ込んできます。 このはたらきで重要なのがステッププーリです。 ステッププーリは回転トルクの中継地という役割のほかにこうした種々のノイズを集めて圧縮してモータに伝えるという重要なはたらきをこなしているのです。 ですからエディカレント・マグネットをステッププーリに近づけすぎると再生音に圧縮がかかりすぎて音が伸びなくなったり、離しすぎると圧縮がかからなくて音に深みがなくなってしまったりするのです。 マグネットによりステッププーリに適度な磁力でないと、振動とノイズがモータに流れにくくなったり、流れすぎたりするのです。 マグネットを近づけすぎるとステッププーリにノイズがたまり続けててあふれる結果、ノイズが逆流して伝わっていきモータのノイズや振動エネルギが強まって整流力が落ちていきます。 そのために音の伸びがなくなり、響きも詰まり気味になって聴覚的な圧縮として感じられるのです。 逆にマグネットを通常より離してしまうと(モータの劣化による回転速度の遅れを補正するべくなされた誤った処置)、今度は逆にモーターにノイズや振動が抑えられることなくストレートにモータに伝わってしまい、それでなくても弱っているモータは一層整流力を失い、彫りのないただ表面的な再生に終わってしまっているのがレストアされていない個体のほとんどの現状です。 つまり、エディカレント・マグネットは回転速度を補正するだけでなく、ノイズと振動の整流を助けるというはたらきに大きく貢献しているのです。マグネットとステッププーリの隙間は2-4个適切であり、その範囲を超えている場合は、モータの劣化を疑わなければなりませんし、音は出るでしょうが、決してちゃんとしたTD124の再生音ではないと言っておきます。

RIMG0105


ステッププーリの配置に注目してください。 0ポイントのすぐ近くに位置しています。 これは振動の流れを見極めた上での真に巧みな設計です。 つづく
以上T氏

モータが整流したノイズ、決して消えてしまったのではない。 感覚的にいえば、正常な状態のTD124の中では、ノイズは良質なものに可変され、あるものはアースされ、あるものはレコードのバックグラウンドに聞き分けられないノイズとして再生音に練りこまれていく。 そしてそのバックグラウンドのノイズこそ、音楽を生き生きと活性している、とも考えられないこともない。



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