2017年09月27日

GARRARD301とノイズ

フォノモータの機械力とノイズ、ここでどうしてもGARRARD301についても書いておかなければなりません。 なぜここで301なのでしょう。 普通ならばRC80の後に301を書くほうがすっきりするのでしょうが、301についてはTD124におけるノイズと機械力を述べた後でなければ本質は見えてきません。 何故なら301にはTD124のような機械力のはたらきが事実上存在しえないからです。 
まず予備知識として、GARRARD301のモータはRC70系とほとんど同じものである、というところから書いてみましょう。 両者で差異がある部位はロータ底部のベアリングがRC70系より大きくなって固定された点とモータ本体にアルミ鋳物製のがっちりと大きなハウジングが採用された点にあります。 このハウジングにより301のモータは大きく見える、それがため301のモータはTD124のそれよりずっと大型であると言及する評論家がいらっしゃるが、それは301のモータ内部を見ていないことを意味しているようなものです。 TD124に301と同じ方式でハウジングされたら大きくなりすぎてTD124のシャシに納まりきれないはずです。 それではどうして301には大きなハウジングが取り付けられたのでしょう。 RC70系を引き継ぐモータであるため振動が大きく、そのままではスタジオ等の使用基準を満たせなかったからだと推測されます。 分厚い強固なハウジングで振動を抑え込んでいるのです。 さらなるノイズ対策としてコイルバネにより本体からモータは宙吊りにされています。 当時の水準としては第一級の振動とノイズの少なさとSN比を実現したのです。 
301の振動とノイズに対する手法は、スタジオ関係者のフォノモータに対する要望に応えることができましたが、コンシューマユースという観点からすると反ってマイナスになった、と私は考えます。 理由はRC70系と聴き比べるとわかります。 EPSON001301はRC70系の進化したモータを搭載していながら、RC70系のように躍動感や生命の輝きという音楽に大切なものがあまり感じられないのです。 SN比は断然301のほうが優秀であるし、メカニカルノイズなどは比較するまでもありません。 物理特性は優れているのに、なぜ音楽が出てこないのか? それを解くカギは伝送というはたらきをどう捉えるかにある。 レコードプレイヤが送り出す信号が、音楽を伝達するものと設計されたのか、形が整えられた電気の波となるように企てられたのか。 コニサー、コラロ、TD124等のコンシューマユースとしてのフォノモータは電気信号を音楽の種子として、301やEMTは音の形を正確に送れば良いとしたのでは。 厳しく言えば301は物理特性に自らの音楽力を売りわたした。 それだから、301を家庭で音楽鑑賞用として使用すると、音の中核としての音楽にある魂が欠けたように感じられてしまうのです。 音のかたちはたしかに明確にしめされてはいるのだけれども。 
つづく 以上T氏






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