2018年03月13日

普段使いに中型スピーカはどう? その4

というわけで、試作品が仕上がってきた。 プレイヤはTD124エンポリウム仕様、TD184 の初期タイプと(プラスティック軸受け)+retro50 アンプ、ユニットはWharfedale Super10 で取り合えず音楽を出してみる。 家庭で聞く音で肝心なのは、ハイ上がりにならないこと、音が心地よくほぐれていること、金属音にならないこと。 音の重心は心持ち低め、いい具合に板は響き、板と板の継ぎ目の振動の伝わり方がうまくコントロールされていること、それで空気はきれいに震えること。 スピーカが威張らないこと。 生理的に気持ちよくなる空気感を醸し出せるか。 RIMG0495 写真左が最初に作った小型スピーカ、右が今回の中型スピーカ。 オーディオには大型か小型か、という概念が支配的で、「ほどほど」という寸止めの美しさがまだまだ市民権を得てはいない。 オーディオはいつの間にか変人ばかりになり(僕も含めて)、フツーの音楽好きのおじさんおばさんがあまり見かけなくなって久しい。 1949年のVARITONEの解説をもう一度見てほしい。 これは1949年、Wharfedale社が学校の音楽鑑賞用に作ったエンクロージャで、ユニットは入っていない。 大戦後間もない荒れた時代、ゆたかな音楽を子供たちに耳を傾けて欲しいという気持ちが伝わってくる。 前面下部のポートは「フェイズ・インバータ」の役目をちゃんと果たして、開け閉めを調整してみると低域の閉まり具合が確かに変わる。 ちょうどいい具合に開ければ、説明によればユニット低域のレゾナンスが80サイクルのでも45 c.p.s にまで伸ばすことができるとある、これが実感できて面白いこと、面白いこと。
つづく

RIMG0474



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