2019年02月24日

ローコスト・フォノイコライザとプリメインアンプ その8

大きな出力アンプではトーンコントロールが効きにくいと書きました。もう一つトーンコントロールには大事な役目があります。スピーカにあるインピーダンス変動による不具合を自律的に正すという仕組みです。トーンコントロールを操作しているうちに、スッと自然な音色や響きが得られるポイントが見つかります。それはスピーカ・インピーダンスの変動が落ち着いて、ニュートラルというか本来のインピーダンス値を安定して保っている証です。スピーカに余計な負担をかけていないのです。
これらの小出力アンプリファイアにトーンコントロールがなくても心地良く音楽再生を楽しめるのは、スピーカに余計なストレスがかからないのでインピーダンスが乱れないその結果音が伸びやかなのと、周波数帯域に変なクセがなく音楽信号への反応がフラットが基本であるために聴感上のバランスに違和感がないことがあげられます。
しかし、もう一歩踏み込んで初期盤のアコースティカルな音源を再生するとなると、トーンコントロールなしではストレスが溜まります。ポジション選択可能なフォノイコライザとの併用は意味があります。実際オフィスでモノーラル期のLP再生にはEQ11やEQ12が活躍してくれます。これによりふさわしい音場がセッティングされて音楽が気持ちよく再生されていきます。大切なのはレコードプレイヤがどれだけ音の溝から音楽含有成分を取り出して解読してくれるか、なのです。レコードプレイヤの出力が良質であればあるほどアンプリファイアは解読済の信号をストレスなしに増幅します。それは再生音に顕著に表れます。システムのトーンを整えるもうひとつの方法を次回に書きます。 つづく


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