2020年03月22日
TD124 フルレストア 次なる進化へ
今年からレストア担当はT氏から阿部に交代しました。
この十数年間、T氏は TD124 の存在意義をたぐいまれな技術と個性で示しました。スイスでユルク・ショッパー、TD124を開発した技術者ジャック・バッセから吸収したことを、レストア技術とイデアを我が国に伝えました。彼のおかげで修理ではなく初期性能に復帰させるフルレストアという考えが浸透したのです。
レコードプレイヤは機械的なプリアンプである、というのが彼の主張でした。モータの慣らし運転の仕上げ具合、アイドラの接地面の形状、センタスピンドルの磨き、アイドラ支持ブラケットの感度、センタスピンドル軸受け底部の補正、シャシ裏面磨きの工夫その他もっともっと細かいことまでが音質につながっているのです。ネジの締め方具合まで、一つ一つ丁寧に作業してTD124本来の音の姿に戻す努力を続けてきました。
レストアを引き継ぐににあたり、僕は第2のTD124ルネサンスを目指します。レコードプレイヤという名に相応しく、レコードをユーザのためにプレイさせる機械に仕上げてみたいのです。
TD124を初期性能にまで復帰させるというのは性能だけでなく、音楽がどれだけたっぷり含まれているかを意識してレストアしていきます。これからはレストアが一通り終わってからが勝負です。試聴に試聴を重ねてより音に音楽含有量をたっぷり盛り込んでやる作業を惜しまない。TD124の場合、具体的には音がキンキンしている、音がほぐれていない、音の振幅が狭い、艶がない、音の芯がない、ダイナミクスの頂点が定まらない、空気がきれいに震えない、などはプレイヤのもうひと手間の調整で決まります。プレイヤをちゃんとした状態に戻してから、音色やハーモニクス、音楽の楽しさが出るように整備するのは計測器ではできません。レコードを聴き尽くしている人間の耳で調整するのです。もっともっとおいしい音を奏でるプレイヤに進化するために。
この十数年間、T氏は TD124 の存在意義をたぐいまれな技術と個性で示しました。スイスでユルク・ショッパー、TD124を開発した技術者ジャック・バッセから吸収したことを、レストア技術とイデアを我が国に伝えました。彼のおかげで修理ではなく初期性能に復帰させるフルレストアという考えが浸透したのです。
レコードプレイヤは機械的なプリアンプである、というのが彼の主張でした。モータの慣らし運転の仕上げ具合、アイドラの接地面の形状、センタスピンドルの磨き、アイドラ支持ブラケットの感度、センタスピンドル軸受け底部の補正、シャシ裏面磨きの工夫その他もっともっと細かいことまでが音質につながっているのです。ネジの締め方具合まで、一つ一つ丁寧に作業してTD124本来の音の姿に戻す努力を続けてきました。
レストアを引き継ぐににあたり、僕は第2のTD124ルネサンスを目指します。レコードプレイヤという名に相応しく、レコードをユーザのためにプレイさせる機械に仕上げてみたいのです。
