2021年10月25日

Grey List #46から 天然色になったピアニスト

CSD1593 ブラームス ヘンデルの主題による変奏曲/シューマン 3つの幻想的小品/リスト ペトラルカのソネット 夜の調和  モーラ・リンパニー(Pf)  録音1964年 EMI第3スタジオ  黒に赤のHMV切手ニッパー・ステレオレーベル(オリジナル) オリジナルプレス レーベルにFACTORY‐SAMPLEシール貼り  最近イギリスの田舎の宿で見た映画。 1960年頃、米国の田舎町のお話。 白いペンキで塗られた柵に芝生の庭、ポーチがある典型的なアメリカ中東部の家が並ぶモノクロ画面の町に、ハックルベリフィンもどきの若者がふらりとやってくる。当たり前のことを当たり前にしてみせて50年代をひきずる保守的な市民を当惑させる。やがて、だんだん彼に同調する人たちが出て、彼らは画面でモノクロからカラーに変わっていく。貞淑な人妻が恋のきざしを入浴中に感じたとき、白黒の肉体が薔薇の肌色に変わる。といったように。最後まで頑固だった市長も町の掟が実は馬鹿げていたと気付いた途端、カラーになる。その瞬間、町全体に総天然色は拡がっていき、人々は60年代がやってきたことを知る。その先にはドラッグ、リベラリズム、フリーセックスが待っている。・・ リンパニーは A RECITAL(CSD1593 録音1964年)から、変わった。『プリテンド』を脱ぎ、自分の言葉で弾くようになった。ジャケット写真はカラーで、よーく見ると、ノクターン集(CSD1343/4 録音1960年)のモノクロジャケット写真と同じワンピースを着ている!自然な表情のリンパニーはしなやかで、4歳若いはずの白黒のリンパニーの方が老けている。家庭で弾いているという雰囲気はあいかわらず、これが彼女の面白さに違いないのだけれど。シューマン、リスト、どれも花が咲いている。ペトラルカのソネットに置く艶やかな薔薇色といったら、もうラフマニノフ。通俗のどこが悪い!現在のそれとは別物のスタインウェイコンサートグランドが、優しいダイナミクスで弾き進まれていく。ロシア民謡のノリで弾かれるシューマンのマルシェは、位相さえ合っていれば、それは見事な超低音の水槽が出現します。ちょっと近所迷惑になりますけど。リンパニーと言えば50年代の女流ピアニスト。ここでは60年代の総天然色の彼女です。  盤美品  ジャケット美品  EP  List #46 (July 2001) ¥24000  

lympany chopin (2)limpany brahms


厄介な時代が来る前と、これから。
人の色はどうなっていくのだろう。




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