2022年03月02日

コンセルトヘボウ その1

50年代のコンセルトヘボウ管弦楽団を聴いて、その頃のメンバーを知りたくなった。

Concertgebouw Orkest

この頃のコンセルトヘボウサールのアクースティックの心地良さ、空気の清い震え、響きの溶け具合、肉感的な残響、はフィリップスや英デッカのLPで実感する。写真の空気感からもその響きをあれやこれや感じ取れる。
指揮者はエドゥアルト・ファン・ベイヌム

今日はコントラバスのメンバー紹介。
英デッカ録音の幻想交響曲(LXT2642)は彼らなしには背景にうごめく暗闇の不気味さは出ない。
De contrabassen

De contrabassen 2

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以下グレイリストより

LXT2642  ベルリオーズ 幻想交響曲  E.v.ベイヌム COA  録音1951年 コンセルトヘボウ  内ミゾ金文字レーベル フラット重量盤  P;J.カルショウ E;K.ウィルキンソン  オーケストラは驚異的な実力を見せており、並外れた録音技術で収録されている。今スピーカーから放射されている『音』は、作曲家がここにいたら喜んだかも知れません。ベルリオーズは、別の意味でモーツァルトと同様、演奏家を最もシビアに試すモノサシでもあります。 RIMG0323適格な正確さ、いきとどいたフレージング、楽譜に記されたすべての指示をケアしたとしても、結果は真のベルリオーズからほんの少しズレを生じることになるのです。ここでは、指揮者が感じ尽くしたたニュアンスをオーケストラから引き出しています。雫が落ちるのが見えそうな弦、申し分のない木管のアンサンブル、にぶく輝くブラスの音の重い質感。ベイヌムが凄いところは、この曲の底を流れる最も重要なエレメントである『陰性の抑制力』(ほとんどの指揮者が気づいていない)を巧妙に仕込んでいることです。もちろん、難曲であるからして念入りなリハーサルは必要でしょう、しかし本番でリハーサル通りにとこだわったり、緊張感を出すのはこの曲では間抜けな感じがするのです。あくまで感じるままに進めていく。 コンセルトヘボウは、魔術師の化身となって本性を現わします。例えば行進曲の場面では、伴奏となる影のスタッカートを弦が弾くのですが、この比類ない響きのスタッカートは魔神となった弦セクションが『お手本を見せてやらあ』とばかりに音化させていき、ベルリオーズのイマジネーションにいっそうの拍車をかける。これは当時としては、『新しい』演奏であり、革新的録音技術のサンプルだったはずです。  盤ほとんど美品  ジャケット(日付なし)きわめて良好  EP  グレイリスト#51 ¥11000

舞踏会でハープのカオスをぶちまけるのは
De HarpenDe Harpen 2






同上   ベルリオーズ 幻想交響曲  E.v.ベイヌム COA  録音1951年 コンセルトヘボウ  内ミゾ金文字レーベル フラット重量盤  P;V.オロフ E;K.ウィルキンソン  RIMG0324 ベルリオーズ。この盤を聴くにつけ、コンセルトヘボウの猛者たちが練習をきっちり以上にこなしたのが良く見えています。結果、指揮者とメンバーたちがアンサンブルに気を取られること無く、完璧に音楽の帳尻をつけていく。そこに、音楽が自ら生命を宿し、輝き始める。こうした無意識というか、意識の底に横たわり蠢く幻想を、彼らはスコアから読み取っている。 すごいことだ。 録音技師ウィルキンソンも彼らの真摯なリハーサルを通じて触発されたに違いなく、LXT史上屈指の音楽的再生音をやり遂げています。  盤美品〜ほとんど美品  ジャケットほとんど美品  EP  DECCA(>1952)カーヴで再生 グレイリスト#68 ¥13000

同上 ベルリオーズ 幻想交響曲  E.v.ベイヌム COA  録音1951年 コンセルトヘボウ  内ミゾ金文字レーベル フラット重量盤  P;V.オロフ E;K.ウィルキンソン  今回気がついたのは、改装以前のコンセルトヘボウのアクースティックです。 音がふくよかに消えていくさま、その消え方を頼ってオーケストラは音を発する。 英デッカの録音スタッフはホールを楽器に化けさせた。他では得られない音楽の隠し味がある。 改装後のコンセルトヘボウのアクースティックを嘆いているオランダ人は多いのが、これをよおく聴くとうなずけるはずです。  盤美品〜ほとんど美品  ジャケットほとんど美品  EP  DECCA(1952)カーヴで再生 グレイリスト#72 ¥12000

野の情景で風を誘うハーコン・ストーティンとオーボエのメンバーも紹介しておく。

De hobo's

De hobo's 2


つづく


この記事へのコメント

4. Posted by グレイ   2022年03月16日 01:06
お便りうれしく励みになります。大戦の修羅場を潜り抜けた団員たちひとりひとりの顔。晴れ晴れとしています。
3. Posted by 加用真実   2022年03月15日 08:55
阿部さま
お仕事(本業ですよね)忙しいのは分かっているつもりですが、ブログ更新が少なく少し寂しい思いでした。でも今回続けて三篇「うれしい」。阿部さまの綴るブログは心爽やかに。特に今の世界の状況には”必須”。ありがとうございます。(プレーヤーには手が届かずLPのみのファンで恐縮です。)
2. Posted by グレイ   2022年03月03日 22:46
聴きながら思わず出た言葉。ベルリオーズは無意識をくすぐる。

1. Posted by のらくろ   2022年03月03日 22:34
「陰性の抑制力」難解!

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