2022年05月01日

本を作る楽しみ 4

Le Club Francaise du Disque のあとには独通信販売レーベルのOpera や Bertelsmann がしばらく続きます。この番号あたりには小さなレーベルが乱立しており、頁を繰るうちにRoyale というアブナイレーベルが登場します。1951年からLPをリリース開始、中にはロザリン・トゥレックなど実名で発売される盤もあるにはありますが、ほとんどが偽名、源氏名、芸名でクレジットされています。発売元は”RCA”(Record company of America)と言い、あのRCA(Radio Company of America)とは全くの別会社です。”RCA"からはGramophone, Varsity, Allegro/Elite, Halo などのレーベルが市場にばらまかれました。音源はヨーロッパでの戦中戦後の放送録音が多く、粗悪な盤材でプレスされたためサーフェスノイズがつきまとうのですが、演奏自体は刮目に値し、間違いがないからつらいのです。Royale 2たとえばGrey List の137頁にチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲があります。マラショフスキーという嘘っぽい名前のヴァイオリニストがソロを取ります。彼こそが戦中のフルトヴェングラー/ベルリンフィルでコンツェルトマイスターの席にあったゲルハルト・タシュナーだ、イヤ違うなどと、レコードコレクタの間でずいぶんと議論がなされました。マラショフスキーは他にメンデルスゾーンが、バラショフスキーというフザけた名でベートーヴェンの協奏曲がRoyale から発売されています。そのうちどれがタシュナーか? ひとりひとりの経験と判断のモノサシで聴き判じるのも、レコードコレクタの密やかな楽しみのひとつです。 つづく

Grey List を5月10日に発売します。
上下巻3,248頁、重量ほぼ5圈_然66,000円(消費税・送料共込)
*詳しいパンフレットご希望の方は下記まで。
greythorens@kind.ocn.ne.jp
tel 0479-25-1140 fax 0479-25-3895

上巻接写

撮影 齋藤圭吾氏


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