2024年05月17日

「き」と「け」

今は昔、この国の物事は漢字で表記されていた。やがて、漢字だけでは表現しきれない感覚をあらわしたくなり、それをひらがなで筆にした。そうして日本独自の漢字読みが中国からのそれとは別に生まれる。たとえば「気亅---  「き」と読むのが中国由来で 「け」は日本らしい読み方だと先日ひょんな会話から知った。気配は「きはい」ではなく「けはい」 と読む。 物理分析に近いもの、「空気」「気象」「電気」などは中国由来の音読みで「き亅。 対して「け」 は「色気」「気色」「湯気」「血の気」「茶目っ気」、この国らしいあいまいさがある。 「人気」と書いて「にんき」とも「ひとけ」とも読める。物の気」なんていう「け」もある。この「け」、近年アニメになって世界中に広められた。
急激に侵攻してきた Generative AI はやがて人間の「血の気」を超えるだろう、そして感情の域までも操ってしまうのではないか。感性についてはどうか。AI は真夜中に厠に向かう途中、ふと「気配」を予測或いは検知あるいは感じて振り向くことがあるのだろうか。いや、振り向かなくとも畏怖でかたまるものなのか ? 知識分析創造変換で圧倒的優位にあるGenerative AI にこれからコントロールされる時代はいずれやってくる。それでも飽き足らない文化の「け」が生まれたらいい。



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