2024年01月29日

Lucie Daullene と M.Hulot

OL-LD2 『フランスの民謡』(カントルーブ編 全14曲)  リュシ・ドレーヌ(S) J.カントルーブPf)  録音1949年  水色に黒のロワゾー・リルTTTレーベル(オリジナル) フラット重量盤 E..A,シャルラン  ドレーヌとカントルーブが吹き込んだ2枚のフランス民謡から。(もう1枚はデュクレテ・トムスンLPG8220) このロワゾー・リル盤は真赤なほっぺの女の子、デュクレテ盤はすこし色気の出てきた娘。リュシとカントルーブ。この2人、どうしても「砂の器」の父と子が浮かんでしまう。どちらもかけがえのないレコード、おかげで僕はフランスの田舎で休暇を過ごすことが多くなりました。ブルターニュ、アキテーヌ、ラングドック、フランシュ・コンテ・・・。 出会った人達の顔が浮かびます。あてもない田舎道を行く老人と少女、それを見ている僕は鼻たれ小僧の心境です。ドレーヌは後にシャンソン作曲家歌手ジャン・コンスタンタン夫人。カントルーブは1957年死去。78回転からのLP転写と言われているけど、シャルランによれば、これが彼にとって最初のLP録音だったと回想しています。  盤きわめて良好 ジャケットおおむね良好 FP  Grey List未掲載               

LD2

ピアノ弾くカントルーブ、彼が発見した嬢は18歳。誰も真似できない歌を残す。声にはイマジネイションがたっぷりと刻まれている。歌詞とかメロディがどうという問題ではなく、その時にしか歌えなかった田舎娘のエネルギがダイレクトにレコードに刻まれている。その後リュシは俳優になり、50年代中頃に「雨に唄えば」のデビー・レイノルズの吹き替えに始まり「白雪姫」から「アイドル伝説えり子」(2000)まで歌い続けている。ただ初録音の衝撃は繰り返されることはなかった。それでも映画「僕の伯父さんの休暇」(1953)のテーマ曲 「パリのお天気は?」(Quel temps fait-il a Paris?)に心が動く。ジャック・タチ作品、単なるノスタルジではなくそれぞれのシークエンスには、とっくに忘れられた真っ当なガリリがある。リュシのあっけらかんとした声はクスッとしている。

_______Saint-Marc-sur-mer pres de Saint-Nazaire 1952
les vacances de m.hulot

N00.601R 『フランス音楽リサイタル』 サティ ノクチュルヌ3番 グノシエンヌ2番/オーリック ソナチネ/オネゲル 7つの小品/プーランク 3つの常動曲  ルイーズ・ティリオン(Pf)  録音1952年頃  真紅に銀のMinigrooveレーベル フラット重量盤  当時ヨーロッパ演奏旅行でセンセーショナルなデビューを果たしたベルギーのピアニスト。レコード産業のなかで新興のフィリップスは演奏家確保のために、こうした若手演奏家を積極的にスカウトしたのでしょう。オーリックの曲が始まって、大人気だった『ジャック・タチ展』を思い出した。会場だったフランス建築家協会はトゥルノン通りに面している。この通りには愉快なからくりがある。リュクサンブール宮の正面から200メートルたらずの通りは数メートルの幅から始まり、だんだん広くなって、宮殿の前ではとうとう30メートルほとの大通りになる。道の始まりに立つと、遠近法でリュクサンブール宮に続くパノラマが広がり、映画セットと見紛う様相を呈す。すごくマンガチックで皮肉っぽい都市計画。会場の前に立つとまさしくタチ映画のオープンセット。オーリックのソナチネに聞く放埒はM.Hulotが歩くトゥルノン通り。 盤ほとんど美品  ジャケットほとんど美品  10インチ  FP  COLカーヴで再生
GreyList #51から

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