2024年05月25日

山深く

ジャジャジャジャジャじゃじゃーーーん 中空から序奏が膨らんでしばらく、静かな向こうから谷村新司の声が現れる。アーッと聞き手、「昴」の歌声は空中に漲り、ドーナツ盤の再生音に圧倒され引き込まれていく 前に座っているお姐さんはハンケチで涙を拭い、ずっと聞いていたいです!! ありがとう!! という声が上ずる。
スピーカの音を聞かせるより、震える空気を中空に結ばせるのに成功している。空気をスピーカにより液状化させるなんて、そう簡単にはできない相談で、ここにいる係の人たちが音の「かたち」をどれだけ高度に工夫しているのがわかる。空気を震わせて音楽を伝える。そうすることで音そのものを聞かせるよりも、曲にまつわる思い出や想いをたぐるように誘う音。だから心揺さぶられるのだろう。聴いている人たちの後ろ姿が揺れる。音楽に浸ってる。こうした光景、いわゆるオーディオショウではついぞ出会ったことはない。古いGoodmansのスピーカシステム ( Sherwood ) が一番好評だと聞いた。
ここに詰めているスタッフの皆さんのあったかな受け入れの気持ち、機器の修復には経験ゆたかな凄腕の持ち主が丹精込めて作業している。この博物館、ただのハコモノではないのを知る。レコードに針を入れる前の曲目紹介のフリも実にタクミ。分析と特性に頼らない、共感できる音がここには満ちている。オーディオに先入観を持たない人ほど、音楽に浸っている。
音浴博物館
長崎市内から車で一時間あまり、公共交通機関もない山の中にあります。
だけど、来訪者はひっきりなしにやってきていました。
音浴博物館


posted at

2021年07月10日

2020年11月15日

2019年11月08日

2019年09月27日

2019年05月14日

2017年12月05日

2017年12月04日

2017年03月30日

2015年11月20日

2015年10月17日

2015年05月23日

2015年03月27日

2015年03月26日

2015年03月15日

2013年11月24日

2013年05月20日

2013年03月07日

2013年01月19日

2011年11月28日

2011年11月26日

2011年11月25日

2011年09月25日

2011年09月24日

2011年09月23日

2011年07月06日

2010年10月15日

2010年02月03日

2009年04月26日

2009年04月21日

2009年02月14日

2008年03月17日

2008年03月16日

2007年02月22日