
瀬戸内町社会福祉協議会の2階にあったエフエムせとうち(2014.11)
目次
1.エフエムせとうちの概要
2.瀬戸内町とは
3.エフエムうけんをモデルに開局
4.町民企画番組や島内、県内FM局の番組を放送
5.運営見直しにより2021年で閉局。新法人で翌年開局
6.訪問記 ※外観のみ
1.エフエムせとうちの概要
2.瀬戸内町とは
3.エフエムうけんをモデルに開局
4.町民企画番組や島内、県内FM局の番組を放送
5.運営見直しにより2021年で閉局。新法人で翌年開局
6.訪問記 ※外観のみ
1.エフエムせとうちの概要
運営会社:特定非営利活動(NPO)法人エフエムせとうち愛称:エフエムせとうち
エリア:鹿児島県大島郡瀬戸内町とその周辺
周波数:76.8MHz
開局:2012.4.25(全国275、鹿児島9)
閉局:2021.2.28(一般社団法人せとうちラジオ放送が実質的に事業を引き継ぎ、2022年1月26日にせとラジ開局)
2.瀬戸内町とは
瀬戸内町は奄美大島の最南端に位置し、大島海峡をはさんで加計呂麻島、請島、与路島の有人島も町域になっています。人口は約9,000人。面積の約87%が山林で占められ、いずれも300〜400mくらいの山岳地が連なり、急傾斜となって海岸に迫っています。古仁屋が最も人口の密集した中心部で、古仁屋港は他の島への拠点となっているため、生活や観光で多くの人が訪れています。
古仁屋港からフェリーで約20分の加計呂麻島は、リアス式海岸の複雑な地形の中に、白い砂浜と「加計呂麻ブルー」と呼ばれる青い海が美しく、於斉の樹齢約700年の巨大なガジュマルの木は映画『男はつらいよ』のロケ地にもなりました。
また、温暖な気候と大自然に恵まれた大島海峡はマグロの養殖に適していることから、クロマグロの養殖量が日本一で、町内の飲食店でもクロマグロが食べられます。
3.エフエムうけんをモデルに開局
エフエムせとうちは、奄美市のディ!ウェイヴ、宇検村のエフエムうけんに続き、奄美大島3番目のコミュニティFM局として2012年4月に開局しました。開局にあたってはエフエムうけんをモデルにしていて、老朽化した防災行政無線の代替として、町がスタジオや送信所などの整備費用を負担した「公設民営方式」で開局し、全戸にラジオを無償で配布しました。島内の他局同様、奄美通信システムが協力をして、離島を含む3ヵ所に送信アンテナを置きました。運営はNPO法人エフエムせとうちが行い、地元ケーブルテレビ事業者の瀬戸内ケーブルテレビと、武原電気工事社(いずれも社長が同じ)がバックアップしていました。町の補助金で運営をしていましたが、実質村営のエフエムうけんと比べると、やや民営に近い形になっていました。
4.町民企画番組や島内、県内FM局の番組を放送
エフエムせとうちは、常勤スタッフ1人と町民のボランティアスタッフ約100人によって番組を製作していました。奄美シーカヤックマラソンin加計呂麻大会などのイベントや、2012年6月の奄美の大雨による特別放送など以外での生放送はほとんどなく、行政・防災情報番組や自局製作番組『きゅうだろ きばりんしょろや〜』、約30本の町民企画番組(20分間)を1日数回繰り返して放送していたほか、ディ!ウェイヴやエフエムうけん、県域AM局の南日本放送の番組を織り交ぜて編成していました。5.運営見直しにより2021年で閉局。新法人で翌年開局
ただ、町の企画課によると放送していた番組について、住民からコミュニティ放送の目的に反するような内容があるという指摘があったそうです。町の補助金で運営していたことを鑑みて、町は2020年度の施政方針で運営方法を見直すことになり、10月に新たな事業者を公募しました。このとき現事業者のNPO法人エフエムせとうちは応募せず、一般社団法人せとうちラジオ放送(せとラジ)が運営することに決まりました。コミュニティ放送の免許は移譲という形を取らなかったため、エフエムせとうちは2021年2月末で閉局することになりました(鹿児島県内の閉局は初めての事例)。せとラジは2022年1月に開局し、瀬戸内町で11か月ぶりにコミュニティFMが復活しました。せとラジはエフエムせとうちの周波数と送信所、一部の中継局を引き継ぎましたが、スタジオは古仁屋の「せとうち海の駅」1階に移りました。
旧スタジオはその後、町のテレワーク拠点施設に改装されました。
6.訪問記 ※外観のみ
<訪問履歴>2014.11 ※局舎外観のみ
エフエムせとうちの本局スタジオは、瀬戸内町役場の隣にある瀬戸内町社会福祉協議会(旧・地方法務局瀬戸内出張所)の2階にありました。開局に際し、町と無償貸付契約を結んだそうです。
2014年に訪問したときは、残念ながら常勤スタッフの方が不在だったため、スタジオを観ることはできませんでした。しかし、武原電気工事社に行った際に社長にお会いすることができて、短い時間ながら話をすることができました。エフエムせとうちは山間や離島部で聴こえづらい地域があり、今後の課題として町と連携した送信設備の増強などを挙げていました。ただ、防災行政無線も更新して引き続き使用していたため、町の立ち位置が定まっていないという文献も見られました。
いずれ再訪したいと思っていましたが、閉局してしまったためにそれは叶いませんでした。
■参考文献
金山智子「奄美群島のコミュニティラジオの文化装置的役割」, 松浦さと子編著『日本のコミュニティ放送−理想と現実の間で−』晃洋書房, 2017
加藤晴明「ラジオの島・奄美−「あまみエフエム」から始まる島の自文化語り−」『中京大学現代社会学部紀要』10(2), 2017.3
宮下正昭「奄美大島からみえるコミュニティFMの課題と将来性:「島域メディア」可能性を探る」『鹿児島大学法文学部紀要人文学科論集』85, 2018.2
『朝日新聞』2012.4.25, 2013.12.10
『南日本新聞』2012.6.12
『南海日日新聞』2021.3.13, 2022.1.26
『広報せとうち』2021.2, 2021.3
離島経済新聞社「【島Topics】ラジオの島、奄美大島(中編)|全島でコミュニティFMが聞ける「ラジオの島」奄美大島。島内での広がり」(https://ritokei.com/article/hottopics/9823)2017.9.22
瀬戸内町−2020年度施政方針(https://www.town.setouchi.lg.jp/cho/chosei/gaiyo/documents/r2sisehosin.pdf)
NPO法人 エフエムせとうち76.8MHz(https://fmsetouchi.amamin.jp/)
Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/)ほか
【改訂】2020.1.5
【修正】2021.3.15, 2022.1.27, 2022.2.19, 2023.1.9



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