2005年10月10日
MPS
MPSはドイツの大手電気メーカーであるSABA社の重役、ハンス・ゲオルグ・ブルナー=シュアー氏の趣味が高じて設立されたという、ちょっと変わった歴史を持つレーベルである。
このブルナー=シュアー氏は、大のJAZZピアノマニアであった。聴くだけでは飽き足らず、自ら演奏してみたり、レコーディングエンジニアにまでチャレンジするといったほどの熱の入れよう。演奏の方はそれほどの腕前でもなかったそうだが、レコーディングエンジニアとしては天性の才能があったようで、60年代には徐々に頭角を現し始めるのである。
そして彼は1968年に満を持してMPSレーベルを設立し、数多くの名手たちを招き素晴らしい録音を重ねてゆく。そして78年に活動を終了するまでの10年間に、500枚もの録音作品を(全てが氏の手によるものではないが)世に送り出したと言われている。
特筆すべきはそのピアノトリオ作品のレベルの高さだ。おそらくブルナー=シュアー氏の好みだったのであろう、硬質で歯切れの良いクリアなピアノのサウンドは、一瞬聴いただけでMPSの作品だと確信できるほどの個性と美しさに満ち溢れている。その音の瑞々しさは、およそ40年を経た現在に於いても、超えることが出来ないほどのクォリティの高さである。これもひとえにブルナー=シュアー氏の類稀なる才能と、ピアノに対する果てしない愛情の賜物であると言えるだろう。あまり名前が知られた人物ではないが、Rudy Van Gelderと並び称される、JAZZ界最高のレコーディングエンジニアであったことは間違いない。
彼のこだわりはレーベル全体に反映され、彼以外のエンジニアによる録音作品においても、MPSらしいハイレベルで素晴らしい音質の演奏を聴くことができる。ピアノトリオだけでなく、70年代にはかなりアバンギャルドな路線の作品も多数発表し注目を集めるなど、本当に個性的なレーベルであった。
このブルナー=シュアー氏は、大のJAZZピアノマニアであった。聴くだけでは飽き足らず、自ら演奏してみたり、レコーディングエンジニアにまでチャレンジするといったほどの熱の入れよう。演奏の方はそれほどの腕前でもなかったそうだが、レコーディングエンジニアとしては天性の才能があったようで、60年代には徐々に頭角を現し始めるのである。
そして彼は1968年に満を持してMPSレーベルを設立し、数多くの名手たちを招き素晴らしい録音を重ねてゆく。そして78年に活動を終了するまでの10年間に、500枚もの録音作品を(全てが氏の手によるものではないが)世に送り出したと言われている。
特筆すべきはそのピアノトリオ作品のレベルの高さだ。おそらくブルナー=シュアー氏の好みだったのであろう、硬質で歯切れの良いクリアなピアノのサウンドは、一瞬聴いただけでMPSの作品だと確信できるほどの個性と美しさに満ち溢れている。その音の瑞々しさは、およそ40年を経た現在に於いても、超えることが出来ないほどのクォリティの高さである。これもひとえにブルナー=シュアー氏の類稀なる才能と、ピアノに対する果てしない愛情の賜物であると言えるだろう。あまり名前が知られた人物ではないが、Rudy Van Gelderと並び称される、JAZZ界最高のレコーディングエンジニアであったことは間違いない。
彼のこだわりはレーベル全体に反映され、彼以外のエンジニアによる録音作品においても、MPSらしいハイレベルで素晴らしい音質の演奏を聴くことができる。ピアノトリオだけでなく、70年代にはかなりアバンギャルドな路線の作品も多数発表し注目を集めるなど、本当に個性的なレーベルであった。