Temenos / Lars Jansson(p)・Bohuslan big bandMuses for Richard Davis / Richard Davis (b)

2006年01月07日

Complete Live in Paris 1965 / Wes Montgomery(g)5

ec3a8d85.jpg「JAZZギター最高の名盤は?」と訊かれて、Wes Montgomeryの"Full house"を挙げる方は結構な数いらっしゃるのではないだろうか。実際僕もずっとそう思ってきた中の一人である。この音源を聴くまでは。

1965年3月、パリでのライブを収録したこのアルバム。Wesの演奏はどの時期のものを聴いても凄いと感じるが、ここに収録されているほどノリにノッて、絶好調なWesを僕は聴いたことが無い。個人的な感想としては、文句無しの名盤と謳われている"Full house""Smokin’at the Half Note"以上と言ってしまっても過言ではないだろう。

得意のオクターブ奏法を駆使し、手がつけられないほど自由自在に暴れまくるWesのギター。このテンション、尋常ではない。それに呼応するように、聴衆の歓声も轟音の様に凄まじい。いかに観客たちがWesの凄まじい演奏により熱狂したか。それが手に取るように伝わってくる。「最高のライブは、最高のミュージシャンと最高の聴衆が一体となって作るもの」ということを僕は常々思っているが、このライブはまさにそれを象徴したものであったのだろう。

"4 on 6"、"Full house"といった代表曲から"Impressions"、"Round midnight"、"Here's that rainy day" のようなお馴染みの曲までを、これ以上無い最高のコンディションのWesが圧倒的な勢いとテクニックで弾き倒す。筆舌に尽くし難い、鬼気迫る迫力を持った一枚である。“Full house”で競演したJohnny Griffin(ts)や、当時まだ知名度の低かったHarold Mabern(p)のキレのある素晴らしいプレイも聴き逃せないところだ。

この作品とは、学生時代に神戸を旅した際立ち寄ったJAZZ喫茶 JAMJAMで出会った。聴いた瞬間に鳥肌が立って、即座にアルバムタイトルをメモし、東京に帰ってこのアルバムを探し回った思い出がある。こんな素晴らしい作品との出会いをくださったJAMJAMのマスター、イチロウさんに感謝!今、自室で聴くこのアルバムも素晴らしいけれど、あのJAMJAMで聴いた時の衝撃は別格だった。もう一度あの店に行く機会があれば、是非この作品をリクエストしよう。

Wesの凄さ、素晴らしさを知る上では欠かすことの出来ない作品。彼のファンでこれを未聴の方には、何としても押さえておいて頂きたい一枚である。

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※memo※
全く同内容で"Solitude"や、数テイクを抜粋した"Twisted blues"というタイトルでも販売されていたようです。
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この記事へのコメント

1. Posted by Suzuck   2006年01月17日 09:38
5 考えたら、、、自分のギターの神様二人、、、ブログで記事にしたこと無いことに気づきました。。(^_^);;
これ、LPで持ってます。
「Solitude」のタイトルでもってます。

絶頂期のライブのウエス聴くと、ほんと、スカッとしますよね。
言ってはいけない言葉なのですが(それをいったらお終いよ、って)
聴けばわかるよ、ってヤツだとおもいます。(内緒ね)
2. Posted by なおき   2006年01月17日 22:47
お持ちでしたか。流石すずっくさん(^-^)

「聴けばわかるよ」って言いたいアルバム、僕にも何枚かあります。このアルバムもそうだし、Getzの"People time"、ペトルチアーニの"BN Tokyo"など、場の空気を見事に切り取った作品は、何か特別なオーラがあって、なかなか言葉では表現するのが難しいですよね。レビュアー泣かせ。

Kenny Barronも「聴けばわかるよ」系のオーラが強いピアニストですよね。

>ギターの神様二人

あとの一人は誰でしょう?
僕はもう一人挙げるならマルティーノですね。
日本人なら宮之上貴昭。
3. Posted by すずっく   2006年01月18日 09:52
私はウエス&バレルが神様です。
で、右大臣左大臣が、ジョーパス&ジムホール。
マルティーノ!!好きですよぉ。
う〜ん、守護神でどう?
前は、五人囃子にいれてたけど、右大臣左大臣と実力に差があるから、ってことではなくて、あの二人、、なんとなく対なもんで。
マルティーノも「○げ」てたらねぇ。。。(笑)

>宮之上貴昭
と、、くると、、もうお一方はあのバレルなお方ですか?
宮之上貴昭さんは、ソロアルバムもってます。凄い集中力!
4. Posted by いぶくろ   2006年05月07日 22:43
 ゴールデンウィークに神戸の実家に帰省しました。
 JAMJAMに行ってみましたが、残念ながらお休みでした。
 私にとってのギターの神様はチャーリー・クリスチャンです。
「ミントン・ハウスのチャーリー・クリスチャン」の1曲目、「バップ・トゥ・スイング」で歌いまくりのギターに衝撃を受けました。
 ぜひ聴いてもらいたい1曲です。
5. Posted by いぶくろ   2006年05月08日 14:56
 曲名を間違えてしまいました。
「バップ・トゥ・スイング」は間違いです。
 正しくは「スウィング・トゥ・バップ」です。
 失礼しました。
6. Posted by いぶくろ   2006年05月08日 15:05
 曲名を間違えました。
「バップ・トゥ・スイング」は間違いです。
 正しくは「スィング・トゥ・バップ」です。
 失礼しました。

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