「ルパン」「クラリス」「カリオストロ伯爵」という単語を聞くと、無条件で宮崎監督の某傑作劇場アニメを連想してしまう僕ですが、皆さんはいかがですか?というワケで、本日は現在公開中の本家フランス映画『ルパン』を観てきましたよ、トホホ。 今回は若干ネタバレありです。

■ストーリー1884年、スービーズ公爵家で暮らすアルセーヌ少年は、泥棒である父テオフラストの指示で、公爵夫人が所有する“マリー・アントワネットの首飾り”を盗み出すが、翌朝、父は死体で発見された。それから15年後、怪盗となったアルセーヌ・ルパンは、王家の財宝のありかを示す十字架の話を耳にする。財宝を狙う名士たちは、やはり十字架を探していたカリオストロ伯爵夫人を死刑にしようとするが、ルパンは夫人を救出。2人はすぐに恋に落ちる。しかし、輝くほどの美貌を持つ夫人には、驚くべき秘密が隠されていたのだった!』

 

CMや劇場予告編も全く観た事が無く、「地味なフランス映画かなあ」程度の予備知識で観に行ったら、意外と立派な“アクションアドベンチャー大作”だったのでびっくりしました。さすが、「ルパン生誕100周年記念」として37億円2500万ユーロ)もかけただけの事はありますねえ。


フランスの作家モーリス・ルブランが
1905年に生み出した世紀の大怪盗、アルセーヌ・ルパンは、その後58編の物語が生まれ、現在も世界中で愛されている冒険活劇小説です。待望の映画化となった本作は、多数のシリーズの中からフランス王家の宝石をめぐる物語「カリオストロ伯爵夫人」をもとに、813」「奇巌城」のストーリーも取り入れ、秘密の財宝探し、命がけの対決や情熱的な恋物語など、ロマンとサスペンスとアクションが幾重にも張り巡らされた一大エンターテイメント作品となっています。


また、ヴィジュアル的にも豪華絢爛!カルティエが全面協力して高価な宝飾品や美しい衣装を惜しげも無く大量に使用し、見た目にもゴージャスで飽きさせません。一言で言えば「予想以上に面白い映画」でした。


物語のメインは“宝探し”です。十字架とか地図とか、少ない手掛かりから財宝の隠し場所を推理し、ついに“お宝”を発見するという展開は、最近では『ナショナル・トレジャー』に代表されるような「典型的なアドベンチャー」。そして、同じく財宝を狙っている連中と繰り広げる「壮絶なアクション」。さらに、ルパンの父親を殺した真犯人を暴く「驚愕のサスペンス」。おまけに、ルパンとクラリスの「甘いラブ・ロマンス」まで盛り込んであるのですから、面白くないハズがありません。


しかし、残念ながら“オススメ映画”と言うにはちょっと気が引けるのです。理由は、ズバリ「詰め込みすぎ」だから(笑)。そりゃあ、
2時間少々の映画にこれだけたくさんの要素をぶち込んだら、消化不良を起こして当たり前ですよ。次から次へと色んなエピソードが連続しているので退屈はしませんが、異常に展開が早い上に唐突なので、「え?何でそうなるの!?」と戸惑うようなシチュエーションが何度も出てきます。いきなり場面が変わったり、突然新しいキャラクターが出てきたり、ストーリーを急ぎ過ぎたせいで編集がメチャクチャですよ。


中でも一番可笑しかったのは、ルパンがある場所に監禁されるシーン。両手に手錠が掛けられたルパンに、ナイフを持った大男がゆっくりと迫ってきます。ルパン、大ピンチ!ところがなんと、いきなり大男が苦しみ出しました。どうやら、持病の発作が起こったようです(笑)。「く、薬を・・・!」と呻く男に「俺が取って来てやるから、この手錠を外せ!」と叫ぶルパン。それを聞いて、男は渋々手錠を外します。


しかし、てっきりどこかの部屋に薬があるのかと思ったら、目の前のテーブルの上に置いてあった薬を取って男に渡すではありませんか!おっさん、それぐらい自分で取れよ!あまりにも変なシーンだったので、思わず「何かのギャグか?」と思いましたが、どうやら本人はいたって真面目のようです。ワケが分かりません。


また、ルパンといえば“華麗なる大泥棒”ですが、肝心の盗みのシーンがあまりにもお粗末でガッカリ。大勢の貴婦人から次々と宝石を盗んでいく場面は、“ルパンのテクニックが優れている”というよりも、“盗まれる方がマヌケ”としか思えません。なんでみんな気付かないの?


さらに僕が最も驚いたのは、実は本作が“三部構成”になっていた、という事でした。まず前半は、少年時代のルパンと彼の父親との生活が描かれます。中盤は、成長したルパンの活躍ぶりを描写(映画のメイン部分)。そして後半はなんと、ルパンと彼の息子の物語が始まるのです。すなわち、本作は父子三代にわたる壮大な大河ドラマだったのですよ!こんなの、絶対に
2時間じゃ無理です(笑)。


案の定、ストーリーは実に中途半端な所で唐突に終わってしまいました。はっきり言って、後半の展開は必要ありません。ルパンの息子のエピソードをカットして
2時間以内に納めれば、正統派冒険活劇としてそれなりに見応えのある映画になったと思いますが・・・。ちょっと“惜しい作品”ですねえ。その他、気になったポイントをいくつか挙げておきます。


カリオストロ伯爵夫人

Kristin-Scott-Thomas

クリスティン・スコット=トーマス
演じるカリオストロ夫人は、妖しい魅力を振りまいてルパンを翻弄するスーパー熟女です(笑)。さすが年の功だけあって、ルパンとのラブ・シーンは濃厚過ぎてゲップが出そうでした。実はこのオバサンには“とんでもない秘密”が隠されていますが、それも含めてかなりインパクトのあるキャラクターとなっています。ポジション的には「峰不二子」ですが、このオバサンの方が本当の意味でよっぽど“悪女”です(つーか魔女ですが)。


クラリス

eva-green

どうしても例のアニメを連想してしまいますが、エヴァ・グリーン演じる本作のクラリスと“宮崎クラリス”は全然似ていません。でも、これはこれで非常に魅力的なキャラクターだと思いました。それにしても、エヴァ・グリーンって目が怖いなあ(笑)。

 

ルパン

ロマン・デュリスの見事なしゃくれ顔にはド肝を抜かれましたよ。骨格の形状は、クエンティン・タランティーノとほぼ同じなんじゃないでしょうか。しかし、実は一番“アニメのルパン”にイメージが近かったりするので侮れません。走り方もそっくりです(笑)。


銭形警部

ルパンといえば銭形のとっつぁんですが、本作には出てきません(当たり前だ!)。


十字架の秘密

ルパンが手に入れた十字架には、財宝の隠し場所を示すための“ある仕掛け”が施されています。詳しくは書けませんが、「どこのどいつが考えたんだ!?」と仰天するようなけったいなカラクリは前代未聞!特に、十字架からいきなり矢印が飛び出た時は爆笑しましたよ(笑)。なんじゃそりゃあああ!?


ところで、何年か前にハリウッドでルパン三世の実写映画化の話が出ていたと思いますが、アレはいったいどうなったのでしょうか?一時期、ジム・キャリー主演で製作決定か?との噂が流れましたが、その後さっぱり情報が伝わってこないので立ち消えになった可能性もあります。監督はジェラルド・モレン、ルパンはジェイソン・リー、石川五右衛門はドニー・イェン、峰不二子はモニカ・ベルッチで密かに撮影中など、どこまでホントか分からない話は耳にしますが・・・。などと思っていたらこんなポスターを発見!

ルパン

これはいったい???実写版『ルパン三世』、いよいよ公開ですか!?


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