フェーズ6


■ストーリー『荒野を走る1台のベンツ。乗っているのは兄ブライアンと弟ダニー、それにブライアンの恋人ボビーとダニーの女友達ケイトの4人。彼らの目的は感染者との接触を避け、兄弟が子ども時代に過ごしたことのある人のいないメキシコ湾のビーチへ向かい、そこで食糧を確保しながら、感染者とウイルスが死滅するのを待つというもの。その道中、彼らは一組の父娘と出会う。しかし、娘が感染していることに気づいた一行は、すぐさまアクセルを踏み込み、父娘を置き去りにするのだったが・・・。致死率100%にもかかわらず、なぜか世界中に蔓延してしまった謎のウイルスによって人類滅亡目前となった終末世界を舞台に、4人の男女の希望の宛てのない殺伐としたサバイバルを描くサスペンス・ドラマ!』



本作は、『ブラック&ホワイト』、『スター・トレック』、『アンストッパブル』など最近大作映画に出まくっている若手俳優クリス・パインの出演作です(と言っても主演じゃありませんが)。

予告編を見た感じでは『28日後…』みたいな印象だったんですけど、別にゾンビが出てくるわけでもなく、怖いシーンがあるわけでもなく、主人公達が延々と荒廃した世界を彷徨い続けるだけの内容でした。そこで描かれているものは「極限状態に追い込まれた人間同士のエゴ」。自分達が助かるために他人を騙す、見捨てる、裏切るなど、ひたすら醜い人間の本性を描いています。”どうしようもない現実”を突き付けられた時に人間はどのような行動をとるのか?という部分にリアリティがあってなかなか興味深い。


ただし登場人物にあまり感情移入できないため、ストーリーも含めて全体的に割とどうでもいい感じになっているのが残念。低予算であることを逆手に取った「画期的な趣向」でもあればまだ良かったんですが、それすら無いため、結局「あ〜、終わった…」という何とも印象に残りにくい映画になっているのが惜しいなあ。