毛虫のボロ

2013年に公開された『風立ちぬ』以降、アニメ作りから遠ざかっていた宮崎駿監督ですが、ついに最新作が完成したようです。タイトルは『毛虫のボロ』!

上映時間14分20秒の短編アニメーション映画で、3月21日より東京・三鷹の森ジブリ美術館内の映像展示室「土星座」にて上映されるそうです。

卵からかえったばかりの毛虫のボロが、初めて見るさまざまなものに目を輝かせながら、仲間や外敵が行き来する世界へと踏み出す様子を描いた本作。

ジブリ美術館のオリジナル短編アニメとしては10本目の作品となり、ジブリ美術館2階のギャラリーでは同日より関連展示も行われるとのこと。

元々このアニメは、2016年11月にNHKで放送されたドキュメンタリー『NHKスペシャル「終わらない人 宮崎駿」』内で取り上げられ、宮崎監督がCGに初挑戦している姿も紹介されていました。

ところが、2017年の夏に『毛虫のボロ』は一旦完成したにも関わらず、なぜか公開されることなく、上映の計画も延期されてしまったのです。その理由を、鈴木敏夫プロデューサーは以下のように語っていました。

映画監督って、近くで見てるとわかるけど、やっぱり妥協の連続なんですよ。最初に思ったことの30%〜40%を達成できるかどうかっていう。彼らの考えていることっていうのは、それぐらい凄いんですよね。

だから、ずっと小っちゃな作品を作っててね、本当は完成してたんですよ。完成したんだけど、僕が観たときに「う〜ん……」と思ったんですよね。ちょっと、どうかなぁ、って。そしたら、宮さんも同じことを考えてて。

昨日ね、「鈴木さん、あれやり直しましょうか?」っていうから、「そうですね、やり直しましょう」って。こういう時は、パッとやり直すんですよ。それで今朝、打ち合わせてね、「じゃあ、スタッフも変えますか?」って言ったら、「そうですね」って。

それで、「鈴木さんと相談してこうなったって(スタッフに)説明する」って言うから、「僕がもう連絡取りました」って言ったら、「相変わらず早いね」って。早いんですよ、僕。そういうことしたら、スタッフがかわいそうだとか考えないですね。しょうがないやって。そういうこともあるだろうって。 (TOKYO FM『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』より)

どうやら、完成したフルCGアニメに宮崎監督が納得できず、スタッフを入れ替えて大幅に作り直した結果、ようやく上映できる状態になった、ということらしい。

以前、鈴木プロデューサーは「アニメ作りは大変だ」「優秀なスタッフが1カ月頑張っても、5分ぐらいのアニメしか作れない」「だから2時間の長編を作るのに、最低でも2年はかかる」と説明していました。

しかし、逆に言えば「14分の短編アニメなら3カ月で制作可能」ということであり、宮崎監督の場合「CGで作るよりもこっち(手描き)の方が早かったんじゃないの?」という気がしなくもありません(笑)。

まあNHKの番組でも、CGスタッフが作った映像に対して「こういう感じじゃないんだよなあ…」と文句を言いつつ、CGの直し方が分からないため手描きでチョコチョコ原画を描いていたので、「どうせ全部作り直すんでしょ?」と思っていたら本当にそうなってしまいましたねえ(^_^;)

なお、宮崎監督は現在『君たちはどう生きるか』という長編アニメを制作中で、2019年頃に公開されるのでは?…と言われています。果たしてどんな映画になるのでしょうか(^_^)


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