カルロス・ゴーン1

どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。

昨日、日本時間の1月8日22時、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン氏が、レバノンへ逃亡してから初めての記者会見を行いました。現地では「メディア懇談会」と呼ばれており、これは”ゴーン氏が選んだメディアのみが参加できる場”という意味だそうです(日本メディアではテレ東だけが許可された)。

会見に臨んだゴーン氏は、やる気満々でバイタリティに満ち溢れ、今日という日を400日も待ち望んでいたことや、正義のための会見であることを強く主張していました。さらに「自分は倒産しかけた日産を救い三菱も救った」「それなのに、無実の罪で独房に入れられ、人権と尊厳を奪われた!」と激白。

また、1日8時間以上の尋問があり、「自白すればすぐに終わる」と何回も言われたことや「自白しなければ追及し続ける」と脅迫されたこと。さらに、有罪率99.4%の司法制度の問題についても言及しています。そして、「日本を出国したのは自らの名誉を回復し、真実を明らかにするためのやむを得ない行動だった」と強く訴えていました。

そんなゴーン氏ですが、逃亡する直前の昨年12月、東京都内の制限住宅で米ハリウッドの映画プロデューサーと面会し、日本の司法制度における問題点を告発する映画の構想を明かしていたそうです。えええ!?今回の逃亡劇がハリウッドで映画化されるの!?

カルロス・ゴーン (1)

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、ゴーン氏と面会したのは、2015年にアカデミー賞作品賞を受賞した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を手掛けたジョン・レッシャー氏。

レッシャー氏は、ジョニー・デップ主演の実録犯罪映画『ブラック・スキャンダル』などでも知られる敏腕プロデューサーで、ゴーン氏の事件にとても興味を持っていたそうです。

そしてゴーン氏は自身が受けた「不当な投獄」と「無実を証明するための闘い」について記したプロットをレッシャー氏に示し、自分の物語を映画にできないか打診したという。映画のテーマは「救済」で、「悪」である日本の司法制度から自身の名誉を回復する姿を描きたかったらしい。

さらにゴーン氏本人もこの企画にノリノリで、「映画化は実現しそうですか?」という記者からの問い掛けに「当然でしょう!」と力強く断言したそうです。お〜、何だかわからないけど凄い自信だ(笑)。これはもう、映画化決定なんですかねえ(^^;)

カルロス・ゴーン (3)

またニューヨーク・タイムズ紙は、「ゴーン氏の逃亡がいつ計画されたものか定かではない」としたうえで、日本の経済事件に詳しいジャーナリストや、過去にライブドア事件で有罪判決を受けた堀江貴文氏にもコンタクトを取っていたことを挙げ、レッシャー氏との面会は「ゴーン氏が日本の司法制度との闘いに勝つために企てた試みの一つだったのでは…」と推測しています。

なおレッシャー氏との話し合いの中で、ゴーン氏は「映画を作れば、自分に対して世間がより同情的になってくれるだろうか?」と気にしていたそうですが、現時点ではまだ「映画化決定」との情報は出ていません。

しかし、この話が報道されると映画ファンの間で話題になり、「もし映画化されたら主役のカルロス・ゴーン役はローワン・アトキンソンで決まりだろw」などと盛り上がっているようです(笑)。

カルロス・ゴーン

ちなみに、ゴーン氏が関西空港からプライベートジェットに乗り込む際、2人のアメリカ人が同行していたことが明らかになりました。米「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、この2人は元米陸軍特殊部隊グリーンベレー隊員で警備会社の経営者マイケル・L・テーラーと、同じく警備会社関係者のジョージ・アントニー・ザイェクという人物です。

同紙によると、ゴーン氏の脱出にはさまざまな国籍のスペシャリスト15人が集まり、チームを組んで計画を立てていたらしい。そして、このチームが日本を20回ほど訪問し、全国各地の空港を視察。それぞれの出国チェックの状況を分析し、最終的に関西空港を選んだということです。

そしてチームのリーダーとされるマイケル・L・テーラーは、米陸軍でテロ対策部門にも就いたことのある人物で、80年代前半にはグルーンベレーとしてレバノンの首都ベイルートに勤務していました。彼はそこでゴーン氏の関係者と出会っており、レバノンにも強いコネクションがあります。

さらに退役後は人質案件でFBIや国防総省とも仕事をし、80年代後半には4年間も政府に協力して麻薬密売やマネーロンダリングの潜入捜査を行ったこともあったそうです。まるで映画のような人生を送ってきた人物ですねえ(笑)。この人とカルロス・ゴーンの逃亡劇を映画化したら『アルゴ』みたいな物語になりそう(^^;)

なおゴーン氏はプロデューサーのジョン・レッシャー氏に、「自らを描いた映画のストーリーは、驚くべき予想外の展開になるだろう」と意味深な発言をしていたらしく、ニューヨーク・タイムズ紙は「2人の会話は、逃亡直前のゴーン氏の考えを知る重要なヒントになるかもしれない」と分析しているそうです。


カリスマ失墜  ゴーン帝国の20年

日経BP
売り上げランキング: 92,028