2021年

どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。
新年明けましておめでとうございます。2021年もよろしくお願いします!

さて昨年は新型コロナの影響で映画業界も大変なダメージを受け、日本は『鬼滅の刃』のおかげで何とか盛り上がったんですが、海外はほぼ壊滅状態。本来ならとっくに公開されているはずの大作映画も次々と延期されてしまいました。

そんな中でも映画は観てたんですよ、一応。ただ、劇場へ行く回数はめっきり減って、代わりに動画配信サービスやBS・CS放送やレンタル店などを利用する機会が増えましたねえ(本当は映画館で観たいところですが…)。

というわけで、去年観た映画の中で個人的に気に入った作品をざっくり上げてみましたよ(順位は特につけていません)。

●『TENET テネット』
クリストファー・ノーラン監督の作品はだいたい映画館で観ているので、最新作も無事に公開されて良かったです。相変わらずスケールの大きなアクション&独創的なストーリーで楽しめました。

ただし、内容はよく分からないんですよね(笑)。まあ、この映画は「分からなくても面白い」という点が最大の特徴なのでそれはいいんですが、終始もの凄い情報量とスピード感で話が進んでいくため、一回観ただけで全てを理解するのはまず不可能でしょう。なので、ソフトが出たらもう一度観たいと思います。


●『フォードvsフェラーリ』
マッド・デイモンとクリスチャン・ベイルが実在の人物を演じ、フォードGTがル・マンを制するまでを描いた物語です。レースのシーンがド迫力なのはもちろん、ストーリーもかなり丁寧に作り込まれていて、2時間30分の長尺でもあっという間!「これぞ娯楽映画」って感じでしたね。


●『リチャード・ジュエル』
1996年のアトランタ・オリンピック開催中に起きた爆破テロ事件で容疑者扱いされた男と弁護士の苦闘を描いた物語。主人公は爆弾の第一発見者ですが、彼の経歴が明らかになると一斉にマスコミが批判し始め、世間からバッシングを受けるようになります。24年前の出来事ながら現代のSNS社会を彷彿させるような内容で、「やっぱイーストウッド監督すげえな〜!」と感心するしかありません。


●『パラサイト 半地下の家族』
2020年のアカデミー賞で、韓国映画がアカデミー賞4冠を獲得するという前代未聞の快挙を成し遂げましたが、それほど本作は芸術的でメッセージ性も強く、さらにエンターテインメント性もある、非常に盛り沢山な作品なのです。

ひょんなことから金持ちの家で働くことになった貧乏家族が徐々に”パラサイト”していき…というストーリーで、格差社会が一応のテーマになっていますが、それだけにとどまらず、ミステリー、バイオレンス、コメディなど色んな要素が複雑に混ざり合い、極めて個性的な作風になっているのですよ。スゴイ!


●『初恋』
ヤクザと刑事が麻薬の取引を通じて一儲けしようと企むが、思わぬ誤算で事態はどんどん想定外の方向へ転がり出して…というストーリーを、あの三池崇史監督がバイオレンス&アクション満載で描いた快作です。

三池監督といえば「出来・不出来」が割とはっきり分かれる印象ですが、今回は「良い方」の三池作品でした(笑)。特筆すべきはベッキーの狂いまくった熱演ぶりで、「もう失うものなんか何も無い!」と言わんばかりの捨て身すぎる演技は必見です(笑)。


●『ミッドサマー』
長編デビュー作『ヘレディタリー 継承』で世界中の映画ファンの度肝を抜いたアリ・アスター監督。その第2作目となる『ミッドサマー』にも、前作の衝撃を超えるほどの凄まじいイマジネーションと監督の悪意が存分に詰め込まれていて最高でした(笑)。

スウェーデンの田舎にある村:ホルガを訪れた大学生たちが体験する、夏至を祝う祭りに秘められた恐るべき真実とは…?明るい日の光の中で繰り広げられるインパクト抜群の人体破壊描写は、残虐ながらも不思議な美しさを醸し出していて脳が混乱すること請け合いです(笑)。


●『ジョジョ・ラビット』
妄想のヒトラーを友達としているジョジョは、家にユダヤ人の女の子が隠れていることを発見。彼女と話すうちにナチスに傾倒している自分に疑念を抱き始め…。戦争を描く映画にしては異様にポップな雰囲気ですが、可笑しさや優しさ、そして戦争の残酷さが混然一体となった見事な作品です。


●『1917 命をかけた伝令』
舞台は第一次世界大戦のヨーロッパ西部戦線。ある朝、上官から呼び出された主人公のスコフィールドとブレイクが、「最前線の部隊へ攻撃中止を伝えよ」と命じられ、その道中をワンカット長回しでひたすら撮り続ける…という映画です。

長回しを売りにした映画は割と多くて、『カメラを止めるな!』も37分ワンカットが話題になりましたが、本作の場合は「全編ワンカット」との触れ込みで公開されました。まあ実際は、途中でこっそりカットを割ってる”疑似ワンカット”なんですけど、問題は、この映画って「朝出かけて翌日の朝までに伝令を届ける」というストーリーなんですよね。

いや、24時間経ってるじゃん!

もし本当にこれを全部ワンカットで撮ろうとしたら、尺が24時間になっちゃうわけですよ。なので、あらすじを見た時点で「あ、ワンカットじゃないんだ…」とバレてしまう、そこはちょっと「どうなのよ?」とは思いましたねえ(内容的には臨場感もあって非常に良かったんですが)。


●『ラストレター』
松たか子、広瀬すず、森七菜、豊川悦司、中山美穂、神木隆之介、福山雅治など美男美女を配置して、青春時代の甘くて切ない物語を描いた岩井俊二監督の最新作。その中に突如として出現する庵野秀明の違和感が面白い(笑)。

全体的にはコメディタッチで、数年ぶりに同窓会に出席した松たか子が死んだ姉に間違われ、さらに初恋の相手(福山雅治)にも「連絡先を交換しよう」と言われ、「自分は姉じゃなくて妹です」と言えなくなってしまう。そんな状況で始まった”手紙のやり取り”を通じて、過去の秘密が徐々に明らかになっていくのです(美しい映像も見どころ)。


●『囚われた国家』
監督は『猿の惑星: 創世記』のルパート・ワイアット。主演は、様々な映画で印象的な脇役を演じてきたジョン・グッドマン(『夢を生きた男/ザ・ベーブ』ではベーブ・ルースを熱演)。そして『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』でエマ・ラッセル博士を演じたヴェラ・ファーミガが重要な役で出演しています。

エイリアンに侵略された地球を舞台に、密かに反撃を企てるレジスタンスたちの姿を描いたSFサスペンスですが、全体の印象はメチャクチャに渋い!『インデペンデンス・デイ』とか『バトルシップ』みたいな”地球侵略モノ”とは真逆の作風で、ちょっと好みが分かれるかもしれません。

監視カメラやドローン等によって徹底的に監視される中、どうやって仲間たちと連絡をとって計画を実行に移すのか?そのサスペンスフルな過程が見どころなんですけど、伝書バトを飛ばしたり新聞に広告を出したり、完全にアナログなんですよ。

時代設定は近未来ですが、やってることは何十年も昔のスパイ映画みたいで、しかも宇宙人のテクノロジーも出て来るから未来と過去がゴチャ混ぜになったような不思議な感覚が面白い。恐らくかなりの低予算で作られたと思われますが、独特の世界観やキャラクターが魅力的で、最後には意外な結末を迎えるなど、個人的にはとても気に入りました(知名度は低そうですがw)。