バットガール

どうも、管理人のタイプ・あ〜るです。
毎日暑い日が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

さて『バットガール』と言えば、ゴッサム・シティのジェームズ・ゴードン警察長官の娘:バーバラ・ゴードンがバットガールに扮して悪と戦う、まぁ所謂『バットマン』のスピンオフ作品です。

これを『バッドボーイズ フォーライフ』のアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーが監督し、『イン・ザ・ハイツ』で脚光を浴びたレスリー・グレースが主人公を演じる、という布陣で映画化が決定しました。

そしてヴィラン役には『ハムナプトラ』シリーズで有名なブレンダン・フレイザーが起用され、さらに『ジャスティス・リーグ』のJ・K・シモンズがジェームズ・ゴードン役として続投するほか、過去にバットマンを演じたマイケル・キートンも再登場!

つまり本作は、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のように現行のDC映画シリーズと過去の『バットマン』映画のキャストがクロスオーバーする作品でもあったのですよ。

ところが、すでに撮影を終えてポストプロダクションの最終段階に入っていたにもかかわらず、劇場公開の予定がなくなり、配信もされないことが決定。すなわち、完全に「お蔵入り」になってしまったのです。えええ…

米「The Wrap」など複数のメディアの報道によると、『バットガール』の撮影は2022年3月末ですでに完了しているが、新型コロナウイルス感染防止対策でコストがかさんで製作費が9,000万ドル(約122億円)近くまで膨れ上がったらしい。

そして「お蔵入り」の理由は、度重なる再撮影や現場でのトラブル、予算超過などの影響で作品の内容が「公開できるレベルに達していない」と判断されたから。

さらに今回の件を最初に報じた「New York Post」によると、「テスト試写での評判が非常に悪く、お蔵入りはDC映画のブランドを守るためにやむを得ない決断でもある」とのこと(なんてこった…)。

それにしても、122億円もかけて作った作品を「お蔵入り」にするって相当なことだと思いますが、せめてネット(HBO Max)で配信すればいいのに…と思ったら、どうやらワーナーの内部で大きな変化があったようです。

今年の4月に”コストカッター”として知られるデイビッド・ザスラフ氏がワーナーのCEOに就任すると、大胆なコスト削減に加え、「DC映画は配信用ではなく劇場公開用として作るべきだ」と大きく方針を転換したらしい。

そのため、今年5月に撮影開始予定だったHBO Max 用のDC映画『ワンダー・ツインズ(原題) / Wonder Twins』の製作が突然中止となり、すでに完成して配信予定だったアニメーション映画『スクーブ!:ホリデイ・ホーント(原題) / Scoob!: Holiday Haunt』もお蔵入りになってしまいました(ちなみに同作の製作費は4,000万ドル=約54億円!)。

さらにデイビッド・ザスラフは、3億ドル(約405億円)もかけて立ち上げた新ストリーミングサービス『CNN+』を、「十分な加入者を獲得できなかった」との理由によりサービス開始からわずか1か月で終了させているのです。ひょえええ…

というわけで現在、デイビッド・ザスラフさんが「儲けが出なさそうな企画は全て中止だ!」と言わんばかりに50億〜400億円規模のプロジェクトを次々と「お蔵入り」にさせてるんですね。

僕らの感覚では「もったいない!」という感じしかしないのですが、ビジネス的な考え方としては宣伝費などでこれ以上余分なコストをかけるよりも、400億円を捨てて”損切り”した方が良い…という判断らしい。

『バットガール』の製作費9,000万ドル(約122億円)も、日本の映画と比べればとんでもない大金ですが、3月に公開された最新作『THE BATMAN−ザ・バットマン−』の製作費は1億8,500万ドル(約250億円)なので、他のDC映画に比べると安い方なんですよね(感覚がマヒしそうw)。

ただ、やはり映画ファンとしては「せっかく作ったのなら観せてくれよ〜」と思わずにはいられません(^^;)