2006年10月09日

隠し砦の三悪人4



黒澤明監督が戦国時代を舞台に描く娯楽活劇時代劇の傑作巨編。敗軍の将が世継ぎの姫と隠し置いた黄金200貫とともに、敵陣を突破する。次々と遭遇する絶体絶命の危機を間一髪で切り抜けていくアイデアの数々に脱帽。また、群衆シーンの迫力や走る馬の疾走感など黒澤演出も冴え渡る。妙に色っぽい雪姫と狂言回し的な百姓コンビの3人が世界のミフネに負けない存在感を見せてくれる。この百姓コンビが、後に「スターウォーズ」の“C-3PO”“R2-D2”のモデルとなったことはあまりにも有名な話。



耕作のコメント

 皆さんはすでにご存知かと思いますが、この作品で狂言回し的な又七と太平の百姓コンビが、後に 「スターウォーズ」の“C-3PO”“R2-D2”のモデル となったことはあまりにも有名な話ですね。
 一応、念の為(笑)


 黒澤作品の中では、その スケールの大きさと脚本の面白さ から【用心棒】と共に本当に大好きな作品です。

 そのプロット・世界観は、終戦間際の環境という事で想いの全てを映像化できなかった、【虎の尾を踏む男たち】を監督が心ゆくまでパワーアップしたリメイク作品、という内容ですね。



 まず、この作品で 最も魅力的 なのが、その登場人物達と演じた役者さん達。

 戦国時代の厳しい背景の中でユニークな登場人物が、合戦に間に合わなかった又七と太平の百姓コンビ(笑)

 この「藤原釜足」演じる又七と「千秋実」演じる太平の雑兵コンビが、人間の欲を剥き出しにしてイガミ合う 展開の面白さは秀逸。同郷のこの二人、自分の得になる事には常に敏感で、その為には手段を選ばない行動に出ては痛い目に遭ってばかり…。

 しかし、どんなに痛い目に遭っても、ま〜ったく懲りずに、またまた欲マル出しの行動に出ては痛い目に遭う二人。
 「その金、おいらに半分よこせ」「やなこった。おらが先に見つけただ」などと言い争っては、殴り合いのケンカをする。かと思えば、ちょっと状況が悪くなるとこの凸凹コンビ、抱き合いながら「おら達、死ぬ時はいっしょだぁ」と泣き叫ぶ(笑)

 そんな彼らのその場凌ぎの行動に、ハラハラもイライラもさせられながら、彼ら力のない百姓の狡猾さと悲惨さに可哀想と思いつつ、大いに楽しませてもらいました(爆)



 そして、この作品の 「三船敏郎」 は、役者・三船敏郎としての最大の魅力に溢れた、素晴らしい演技内容になっている、と思います。

 馬に乗って逃げる敵兵を追いかけ、馬上からその敵兵を力強く切り伏せるシーンは、ハラハラドキドキして、言葉が無い程の迫力あふれる見事なシーンとなっています。
 そして、「藤田進」演じる田所兵衛(「裏切り御免!!」の台詞は印象的…。)との緊張感漂う槍勝負。目をギラギラさせ雄叫びをあげ、気合いを入れて操る見事な槍さばきは、とことん観客を魅了 します。

 さらに、馬上から女の人をヒョイ、と拾い上げるシーンなど見所いっぱい(笑)

 本当に真壁六郎太という戦国武将の豪放磊落さを、余すところ無く表現していると思います。



 とっても インパクト があったのが、雪姫を演じた 「上原美佐」 さん。

 両足を踏ん張った凛とした “立ち姿”、若さゆえ張りのある “太股”、力強さを感じる “あぐら姿”、無駄に気合の入った声を振り絞るような “棒読みのセリフ” 等など、ある意味この作品で一番魅力的でした(笑)

 数年後、自分には「才能が無い」と、潔く引退なされたみたいですけど…。



 作品の中で、最もお気に入りのシークエンスは 「山名の火祭」 ですかね。

 凸凹コンビの浅知恵で、薪に隠して紛れさせたはずの金を、火の中にくべる事になっちゃったのも面白かったのですが、百姓達の火祭の踊りが、とても ダイナミックで躍動感が溢れる描写・演出 で素晴らしかったです。
 白黒でありながら、冗談抜きで炎の色が鮮明に浮かび上がっているようでした。
 (北野武の座頭市のタップシーンはここに影響されたのかも)

 ただ、ここでも「上原美佐」さんが爆発してましたね(笑)



 そして、「佐藤勝」の 音楽 もとても良かったです。

 山の裾野を3頭の馬で駆け下りる場面の音楽は、とてもカタルシスを感じるほど軽快で、その他も場面に合った音楽で作品を盛り上げていましたね。
 この人は 作品を良く理解している と思いました。



 しかし、こういう作品を見ると、今の邦画に欠けている物は制作費や情熱ではなく、練りに練った脚本だというのがよく分かりますね。

 そういう才能を持った脚本家を発掘したり、育成する努力が、今の邦画界にはこれまで以上に求められるべきでしょう。
 脚本さえ良ければ【デビルマン】や【仮面ライダー】だって、素晴らしい作品になったのだと思います(笑)


 是非、一度ご覧ください♪


 他の黒澤作品(時代劇第1期)の記事はこちら 
  【用心棒
  【椿三十郎
  【蜘蛛巣城
  【隠し砦の三悪人
  【虎の尾を踏む男達
  【羅生門
  【どん底




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ti1025 at 04:53│Comments(3)TrackBack(4)【邦画 か行】 | ★★★★絶対観て♪Edit

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4. 隠し砦の三悪人  [ Akira's VOICE ]   2008年05月05日 17:41
1958年公開。 黒澤明監督作品の19作目。 
3. 隠し砦の三悪人  [ 1-kakaku.com ]   2006年11月12日 14:10
戦乱の世の中、隣国の山名家と戦い敗れた秋月家の侍大将・真壁六郎太(三船敏郎)は、世継ぎの雪姫(上原美佐)を擁して隠し砦にこもり、軍用金とともに同盟国・早川領への脱出を試みる。<br> 黒澤明監督作品中でも、ハリウッドの時代大作を凌駕するスケールの大きさが...
2. 隠し砦の三悪人  [ シェイクで乾杯! ]   2006年10月14日 12:38
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この記事へのコメント

1. Posted by 耕作   2006年10月12日 15:52
↑上記のTBを下さった方…。
「上原美佐」さん違いです(爆)
2. Posted by shake   2006年10月14日 12:36
耕作さん、少し前まで黒澤祭りを開催してらしたのですね(笑)
この作品は、スター・ウォーズの元になったということで、以前鑑賞しました。
昔の作品なので、音質が悪くて残念でしたが、雑兵コンビのやりとりが面白かったです。

上原美佐さんがその後どうされているのか気になって、検索したところ、↑の間違いTBの方のほうの上原美佐さんがいっぱい出てきたので笑ってしまいました。
3. Posted by 耕作   2006年10月14日 19:07
◆shakeさん
黒澤祭?
任せてください。
時代劇第2期、現代劇・兇塙気┐討ります。
ただし、いつアップするかは本人も分かりません(笑)
(時間がない時やネタがない時の予備記事なので…)

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