天空更蓝

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『敗者の告白』 深木章子

敗者の告白 (角川文庫)
深木 章子
KADOKAWA
2017-08-25


 
【紹介】
 山梨の別荘でIT企業社長の妻と息子が転落死し、警察はその夫を殺人罪で逮捕する。この事件の直前には、この夫婦の娘が事故死していた。
 死亡した妻の手記、息子のメール、被告人である夫の陳述書、友人夫妻の証言、妻の浮気相手の証言は、どれも少しずつ食い違う。
 芥川龍之介の『藪の中』方式で語られる事件と、被告人の弁護士・睦木の洞察。
 
【感想】
 先に読んだ『ミネルヴァの報復』で探偵役をしていた睦木怜が登場する。発表順ではこちらが先行作品である。
 読み始めたときこの作品の瑕疵だと思ったところがそのままトリックだったと知り、びっくりした。やられた! と久々に思った。
 犯人のバランス感覚には本当に驚かされた。この仕掛けでは、ちょっとした風向きの加減で何がどうなるかわからない。尖った尾根に爪先立ちで立つような真似がよくできたと思う。
 ラスト近く、やな展開だなとおもったのだけど、ラスト1ページで印象はガラリと変わる。
 前に読んだ作品もそうだが、この作品も、題名が素晴らしい。
 
【読書期間】
 2018.11.12 〜 2018.11.13
 
【その他】
 実はこの作家の本を大人買いしてて、他はまだ未読なのだけれど、当分読むのはやめようと思う。途中で置くことができず、食卓やら風呂やら布団の中やらで今朝の未明まで読み続けるなんてこと、この忙しい時期に何日も続けたらすぐに体を壊してしまう。
 ……眠い……
 
 
 
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『ミネルヴァの報復』 深木章子



 
【紹介】
 これも出会い系(書店)で買った本。装丁が象嵌っぽくて美しかったのと、ミネルヴァという名前に惹かれた。もちろん推理小説だったからというのが第一の理由。
 
 弁護士一人事務員一人の弁護士事務所を営む横手皐月のところに、大学の先輩である辻堂が離婚問題を持ち込む。自分は愛人のマンションで暮らしているにもかかわらず、性格のきつい妻と離婚したいという。妻は愛人に損害賠償請求し、愛人は横手に弁護依頼をするのだが契約直前に疾走する。その後、弁護士会館で辻堂の妻が殺されてしまう。
 
【感想】
 読み始めたとき、カチッとした文章だな、と思った。読みやすく、言いたいことが過不足なく伝わる。作者は文章を書く訓練を積んだ人なのだろうと思っていたら元弁護士だった。なるほど。
 裁判所、弁護士会館などの仕組みや、裁判や弁護士を取り巻く状況などが丁寧に書き込まれている。そのおかげで、自分の目が届く狭い世界で起こした事件だということがわかる。
 
 この作品の魅力は、なんといっても主人公・横手皐月の造型だと思う。化粧っ気なく体力自慢、心優しく懐深く、誠実で熱血。探偵役としては神がかり的な叡智はないし、男性が好む女性像ではないのかもしれないが、一人の人間としてこういう人と友人になれたらもう一生の宝だと思う。とても魅力的なのだ。
 この作品だけの主人公なのだろうか。作者には是非、この横手皐月を主人公に、今度はハードボイルドなんかを書いてほしい。切実に願う。
 
 犯罪者たちはどいつもこいつも人間のクズばかりで、腹の立つことこの上ない。ラストもむしろそのくらいのことではなまっちょろいとさえ思う。最初に殺された人だけがあまりに理不尽な扱いをされていてかわいそうでしかたがない。
 
 トリックは、うまく伏線が引かれており、それを回収していくと確かにそうだと思うのだけれど、さりげなすぎて読んでいるときには全く気づかない。説明されても「そうだったっけ?」と前に戻って確認したくなるほどの自然さ。うまいと薄いは同義語なのか。
 
 最後に一つくだらないことを。ミネルヴァって戦いの女神だったっけ? ローマ神話は詳しくは知らないけど、ギリシア神話のアテナは確か知恵の神で、戦いの神と言っても軍神アレスとは違い正義の戦いを司ってたはず。
 いやだから、ミネルヴァでいいの。ミネルヴァだし報復(というには手ぬるいくらいだけど)でいい。
 
【読書期間】
 2018.11.9 〜 2018.11.10
 
 
 
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『目で見る数学』 ジョニー・ボール 著 / 山崎直美 訳

目で見る数学―美しい数・形の世界
ジョニー ボール
さえら書房
2006-09


 
【紹介】
 表紙は絵本のようだが、中身は大判の図鑑のよう。学校で習った数学はこういう考え方が底にあってそのうえに成り立っているものなのかと驚く。
 
【感想】
 私は高校以降の数学が全くわからないのだけれど、よくわからないから余計に惹かれるというか、数学に関するこの手の本がとても好きだ。
 
 この本は、数に関する感覚や数え方、表記の仕方など、数の歴史から始まっている。
 最初からアラビア数字で算数、数学を習ってきた私は、数字の表記がその計算方法にまで影響を及ぼすなんて想像もしなかった。インドで生まれたアラビア数字や0の概念は、計算を飛躍的に簡単にしたらしい。この本にはエジブト数字やローマ数字での計算方法が書かれているが、特にローマ数字での掛け算など、複雑極まりない。
 
 パスカルの三角形やフィボナッチ数列など、単純に足し算だけでできているだけなのに、それが組み合わせを示していたり自然界の数を表していたり、とても不思議だ。
 
 私のような数学の素養のないものにとっては、眺めているだけで頭の普段使わない部分を使いすぎてクラクラしてしまいそうな世界だった。
 
【読書期間】
 〜2018.11.9
 
【その他】
 この本には「フラクタル」についてのページがあるんだけど、最近どこかでよく似たことを読んだなあと思って探してみたら、今読んでる《天才在左 疯子在右》の中の一編《永不停息的心脏》で、生物学者が「分形几何学」について話していた。簡単に言うと全体と末端は同じ形をしているという。人間は胴体から頭、両腕、両足と5つのパートに分かれている。だから手の指も足の指も通常5本なのだそうだ。
 
 この本は書店という出会い系で出会ったんだけど、レジで「プレセントですか」と尋ねられた。こういう本を買うと孫へのプレゼントかと思われるんだろうな。でも二冊ともバリバリ自分専用だ。
 
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このままだと中国語の勉強まで嫌いになってしまいそうなので

 えっと、今日この時間に家にいるということは、大学の公開市民授業をサボったということです。そんでもって、もう二度と行きません。
 
 昨日は予習をしていたんです。
 政治評論の翻訳は、記事も決めたし、ネットでそれに関する中国語の記事も集めて使えそうな単語や表現をチェックし、それらを参考に書いてみるところまでやりました。
 が、『同棲時間』の予習のために繁体字を簡体字に直して入力している途中、いきなりばーっと涙が出てきて、自分でもよくわからないまま「もう嫌だ」と思ってしまいました。

 この市民公開授業ですが、シラバスには下記のように書かれていたのです。(大学がネットで公開しているものです)
 
中国語作文B
【学習内容】
第1回  上课内容说明
第2回  中国敬语
第3回  书信往来
第4回  互联网
第5回  工作甘苦
第6回  选举文化
第7回  流行音乐
第8回  传统音乐
第9回  电影欣赏---影评
第10回 性别平等
第11回 饮食习惯
第12回 宠物与生活
第13回 建筑百态
第14回 运动健康
第15回 环境保护 
第16回 レポート
 
中国語会話B
【学習内容】
第1回  上课内容说明
第2回  正式场合用语
第3回  电话聊天
第4回  网络用语
第5回  打工用语
第6回  演说语言
第7回  歌词文化
第8回  艺术与人生
第9回  电影欣赏
第10回 男女大不同
第11回 用餐礼仪
第12回 宠物与人生
第13回 老街巡礼
第14回 竞技比赛
第15回 环保与人生
第16回 レポート
 
 これを見て興味を持ち、応募して、9,400円ずつ、計18,800円支払ったのです。
 授業がシラバスどおりに進まないのは理解できますが、最初からシラバスどおりに授業をする気がないというのとは違うと思います。
 
 それでもしばらく頑張ってみたのですが、昨日急に涙が出てきて、やっぱりもうダメだと思いました。
 なにがこんなに辛いんだろうとずっと考えていて、ああ、そうか、授業に出ているほとんどの時間、性について考えているのが嫌なのだと思い至りました。
 直接的には、「この台本が終わったら別のものを」とおっしゃっていたのに、昨日、「やっぱり続きをやります」と言われて、心が折れてしまったんだと思います。
 
 主にLGBTについてではありますが、なんというか、表現が粗野で直截的なのに抵抗があるんだと思います。同学も先生も卑猥なことを言うわけではなく、むしろ差別についてのある意味高尚なテーマがあるんでしょうが、手でやるだのしっかり揉んでみてだのうっふーんだの、そういうのを訳しているのだけがもう嫌で嫌で、そこに内包されている重大な差別などと言われても頭に入ってきません。
 
 先生を含めても五人程度のクラスで、その中で私一人女で、んでもってLGBTとはいえずっと性に絡む話をされる嫌さ。セクハラを受けているような辛さがあるのです。
 これがLGBTであろうが男女間の恋愛であろうが、こういう下世話なやり取りを教室で訳すことになったらきっと嫌だろうと思うのですが、これで「お前はLGBT差別者だ」とレッテルを貼られるのであれば、それはそれでもう構いません。
 
 お金がもったいないという気はしますが、この市民公開授業には以後出席しません。
 まともに中作文できない人間が新聞記事を中国語に翻訳したり、中国語で相槌すらまともに打てない人間が流行り言葉を使って差別を考えたりするのは、あまり意味があるとは思えず、かつ、泣きたくなるほど嫌な気分になるのでは、むしろ時間の無駄です。
 
 大学は研究機関なので先生が教えたいことを教え、そこから生徒は学ぶのでしょう。例えば生徒が学びたいことを教えてもらおうとするならば、民間企業で注文をつけるしかないのかもしれません。
 
 さて、前回の授業で同学に日本語訳の本をお貸ししたので先ほどメールが入ってきたのですが、どうしましょう。いらなくなったら捨ててくださいって頼もうと思うのですが、同学にしてみたら嫌でしょうね。申し訳ないことです。
 
 
 
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先生にとってシラバスは飾りかもしれないが

 市民開放授業 中国語作文B・中国語会話B 第4回
 
 先生は台湾に帰られていたということで、お土産の饅頭とビスケットをご馳走になった。お菓子の箱に、可愛らしい男の子の絵が描かれていた。哪吒(ne2 zha1)は三太子とも言い、台湾では信仰の対象になっているらしい。(台湾では、nuo2 zha4 と言うのかも)
 いろいろ本も見せていただいた。百合特集の本とか、マレーシアのLGBT小説特集の雑誌(これは簡体字だった)とか。話がLGBTから離れないのにはもう慣れた。
 Netflixで放送されている『子供はあなたの所有物ではない』は、台湾の『你的孩子不是你的孩子』のドラマ化だという。いわゆる毒親の話。ドラマは小説と違いSFとして描かれているらしい。Netflixの字幕はまるでダメだとおっしゃっていらした。

 台湾の日本語教育は、本当に日本語を教えるだけで、政治的なことには触れない暗黙の了解があるとおっしゃる。だけどそれでは日本人とビジネスするときに困るだろうとのことだった。私は大陸の中国人に中国語を習うことが多かったので、政治的なことは与我们老百姓无关というが普通だった。
 
 沖縄のニュースの続きを読んだ。
 
 将 = 把
 将の方が後ろに抽象的なものを伴うことが多い。
 
 打
 打には、ある地位にあるものの地位を低くする、というニュアンスがあるらしい。
 
 窃钩者诛,窃国者侯
 
 1997年当時の自民党政権が、日本にも自由貿易特区を作り、そこでは法令等も自分たちで自由に作り、一国両制にしても構わない、と言ったことがあるらしい。1997年といえば、香港返還の年で、中国が香港に一国両制を認めている。
 最低限の知識がなければ、現代のニュースも読めないのだな。
 
 次回はこのニュースを最後まで読んで終わりにし、次回以降はチラシの翻訳をやるらしい。
 宿題は、政治評論の記事を選んで、翻訳すること。
 
 生徒はシラバスを見て、自分が何を学びたいのか、今の自分のレベルには何が必要かに照らし合わせて、授業を選んでる。大学の先生にとってシラバスは飾りなのかもしれないけど、生徒にとって先生の示すシラバスは飾りじゃない。
 だいたいこの授業は、シラバス以前に、「中国語作文」という名称なのだが。
 
 
 午後は『同棲時間』の舞台映像を見せてもらった。
 感想を聞かれたが、CDか配音员が普通话ではっきりとした声を当てたドラマしか見たことがない私には、とても聞き取りにくかったし、舞台を見慣れていないうえに、一部だけ見せてもらっても、とっさに何もいえなかった。
 大家であるニューハーフにゲイの主人公が失礼なことばかり言うので、
「私ならこんな口のききかたも知らない借主には部屋を貸さない。二分半で追い出す」
と言ったら、先生は不服そうだった。そりゃそうだろう(笑)
 
 台本の続きで、スカーレット・ヨハンソンや釈証厳という固有名詞が出てくる。ネットで検索すると、前者は美しい女優、後者は台湾のマザーテレサと呼ばれる尼僧と出てくる。が、台湾のLGBTの間ではスカーレット・ヨハンソンは笑顔が気持ち悪い醜女、後者は信者に金を貢がせる台湾の宗教団体のトップで胡散臭い存在なのだそうだ。こういう共通認識がないと、台本を読んでいてもよくわからない。
 外国の作品を見聞きするには、最低限の文化的知識が必要なのだろう。
 
 これがすんだら別のものをするとおっしゃっていたのに、この本の続きをやることにしたらしい。正直がっかり。社会の情勢として必要な知識なのかもしれないし、こういうことでもないと触れることのない文化なのかもけれど、こんな使いようのない会話ばかり学んで、どうするっていうんだろう。
 
 
 単位が必要なわけでもないので、支払ったお金と授業時間プラス授業後嫌な気分でいる時間を天秤にかけて、明日の授業から出席しないという選択肢もある。
 
 
 
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