毎年この時期は『おいコー』の季節!

 筆者がこの時期(と言っても6月頃ですが)に一番楽しみにしていることといえば、文庫版の『おいしいコーヒーのいれ方』です。毎年、最新の単行本と合わせて発売されるのを楽しみに待っているのです。特に去年からはJブックス版が年2冊刊行に変わったことにより、文庫版も6月に2冊同時刊行に変わりました。

 そして今年発売された2冊もようやく読めたんで、その感想をつらつらと書いていきたいなと思います。

一気に話の飛んだ『雲の果て』

 読み始めた時に「あれ、間一冊飛ばしたかな?」と思うくらい話が一気に飛んできました。ここまでも少し話の出ていたオーストラリアに舞台は移り、登場人物もガラリと変わりました。その説明に終始してしまっているので、一冊としての内容は正直ないなという感じでした。だったらアレックスをもうちょっと早めに出してほしかったなという感じです。これ1冊だけ刊行された時の単行本派の人の気持ちを察すると……w

アレックスが奔放な『彼方の声』

 そんな勝利ですが、アレックスとの触れ合い、かれんからのプレゼントなどで、だんだんと生きる気力を取り戻すというか、罪と向かい合えるようになってきます。特に、勝利とアレックスが分かり合い、アレックスの歌声で勝利の心が少し晴れるのを見て、タイトルにもあるとおり「声」がテーマになってるのかなと思った一冊でした。そして最後のかれんからの電話で、なんだか俺も救われた気になりました。感情移入しすぎですかね?w

おわりに

 という訳で、毎年めっちゃ待っても一瞬で読み終わってしまうこのシリーズ、早くも次が気になって気になって仕方ありません。ああ、早く来年の6月にならないかなー。