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2010年01月22日

受注ルートの多様性確保による収入不安定性の削減

100mnochobou フリーランスで収入を得る場合、不可避なのは収入の変動、不確実さである。なにしろ、仕事を請けて期日までに納品しない限り収入はゼロなのだ。自分の手が空いているときに仕事が入ってくるとは限らないし、たまたま仕事が入ってきたときに別の仕事で手が塞がっていればどんなに良い仕事でも断らざるを得ない(とりあえず、他人の助力を得るパターンは度外視)。

ましてや、現在のような不況期になると、発注してくれる相手が常に仕事をかかえているとは限らず、仕事を打診してくれる頻度が低下し、結果的にその相手を通じて得られる収入の不確実さも増加する。

組織人として安定収入を得る道を選ばなかったのだから、しょうがないのだが、長期的な家計を考えるとき、この不確実さを少しでも低減することは重要だ。

そのカギは発注ルートを分散させることにある。

数学的にいくつかのケースを考えてみよう。

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ある受注ルートから得られる収入の不確実さを、ここでは正規分布における標準偏差として取り扱い、各受注ルートからの発注量および誤差には相関がないものとする。すなわち、すべてランダム誤差であって、系統的な誤差は含まれないものと考える(これは現在のような大不況期には適切とはいえない仮定だが、十分高い頻度で声をかけてもらえる翻訳者にとってはある程度通用すると期待してもよかろう)。

この場合、合成誤差は、各受注ルートが持つ誤差の2乗の総和の平方根となる(注:線形組み合わせ時の誤差伝搬の法則より)。

各受注ルートから得られる収入の誤差を30%と考えると、

受注ルートが1社の場合、誤差は当然±30%。

2社から同程度の比率で請ける場合、誤差は21%に低下。

4社から同程度の比率で請ける場合、誤差は15%に低下。

8社から同程度の比率で請ける場合、誤差は8%に低下。

16社から同程度の比率で請ける場合、誤差は4%に低下。

まあ、現実的には、ある程度まとまった量を受注しないと、その相手からの信頼も得られないし、慣れによる効率アップも図れないので、あまり多く受注ルートを増やすことは得策ではない。普通の人は、上記例でいえば、4社と8社の間ぐらいではなかろうか?

その場合であっても、1ルートからの誤差が30%のときに、年収誤差を10%台前半程度に抑えることが可能なのがわかると思う。これは、脱サラ後5年ほど実際に体験してみた実感とよく一致している。

ここ5年間の年収の受注ルートによる分布は毎年のように順位が入れ替わっているが、会社名を無視して整理すると、私の場合、支配的なシェアの受注ルートが2つと、かなり小さいシェアのルートが3,4個あるという状態が続いている。これをざくっと数値化すると、40:30:15:10:5 のような感じである。

この5つの収入源がそれぞれ30%の誤差を含むとき、合成誤差は16%となり、一つのルートに依存したときの誤差を半減できている。

実は、このような受注ルートの分散作戦を取ったとき、最も恐れるべきは、受注量の減少だ。誤差が小さくなっても、総和が減少したのでは本末転倒。受注ルートを多数確保するということは、当然打診を受けても断わらざるを得ない状況が増えるということだから、そうなってもなおかつ声をかけてもらえるだけのパフォーマンスを示しておくことが必要になる。また、しばらく断り続ける状態になっても、何らかの方法で連絡を取り、こちらが暇になったときにすかさず仕事を回してくれるような状況を作り上げるよう、注意深いスケジュール管理が必要になる。

ま、こういうことは仕事だとか、義務だとか考え出すとしんどくてやりきれないが、私の場合は、雑談メールや電話をする形である程度楽しくおつきあいさせてもらっている。このような交渉を交えつつ、仕事を請ける・請けない、納期や分量を調整する、他人の助けを借りる可能性を考えるなど、仕事実施方法の広がりを試していく機会も出てくるので、何ら苦痛ではない。

一番苦痛なのは、どの受注ルートからも打診数が減るという状況だ。幸いにして、独立以後そのような時期は長く続かなかったが、さすがに昨年は何ヶ月にもわたってそのような閑散期が続いた。今年はそんな状況に追い込まれないよう、年明けからひたすら仕事に打ち込んでいる。

生涯で家計支出が最高値を記録し、銀行通帳残高がおそろしい勢いで減っていく日々。収入の不確実性に関する見通しを行いながら、好きな翻訳をいろんな相手から受注してメシを食う。かなりスリリングではあるが、楽しくアラフィフ時代を謳歌していけると信じている。

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もうずいぶん前のことになりますが、技術者から翻訳者へのシルクロードに「受注ルートの多様性確保による収入不安定性の削減」という記事がありました。ある受注ルートから得られる収入の不確実さを、ここでは正規分
収入不安定性の低減について【Buckeye the Translator】at 2010年05月12日 16:19
この記事へのコメント
こんにちは。

数学的な分析面白いです。

ただ、おっしゃるとおり、経済状況による変動の方が大きいようですね。

変動に影響されないほどの実力は、私は、まだ持ち合わせてないようです。

というわけで、ある会社のトライアルに今取り組んでいます。
外部翻訳者の募集をやめた会社がある一方で、募集をする会社もあるということは、仕事があるところにはあるんだなぁと思いつつ…
Posted by たえ at 2010年01月22日 16:26
たえさん、コメントありがとうございます。

< 仕事があるところにはある >

そうなんですよ! 驚くような量の英訳必要タスクをかかえて実施可能性を模索しているところがあるんですよね。

全く英訳能力がない実施主体なら割り切って外注することを検討してくれそうなものですが、なまじ内作能力がある組織はいろんな選択肢を模索し、明示的に予算を申請するわけにもいかず、結局頓挫してしまうような例もあるようです。宝の山が消え去っていくような残念な気持ちです。

声をかけてもらえるような存在にならねば………結局は「腕を磨く」のが王道かな?
Posted by あきーら at 2010年01月22日 18:09
こんにちはー先日はコメントありがとうございました。歴史のあるブログのようで見どころがたくさんありそうです。
山を重ねていけば裾野は(高さとの相対で)狭まるということですね。でもおっしゃるとおり、むやみに増やせないのが難しいところですねえ。僕の場合は分散とは別の目的で部分法人化することになりました。「直接取引」という山を積み重ねられればいいのですが、別の面でさまざまなデメリットも予想されペイするかはわかりません。ファイル編集とかやりたくないし・・
Posted by むーしぇ at 2010年01月23日 02:01
むーしぇさん、コメントありがとうございます。

そうそう、直接取引によって、納期の長い仕事を確保できると、その上に短納期の翻訳会社経由ジョブを組み入れることができ、収入の分散低減に効果的です。

同じような長さの納期のジョブしか出してくれないエージェントに多数登録しても、誤差の低減を実現できない恐れがあります。

いずれ、時間要素も含めた説明を試みたいです。
Posted by あきーら at 2010年01月23日 15:49