ブログネタ
日本仏教再評価 に参加中!
ダライ・ラマ 般若心経入門ダライ・ラマ 般若心経入門
著者:ダライ・ラマ14世
販売元:春秋社
発売日:2004-03-19
おすすめ度:4.5
クチコミを見る

般若心経は,空の教え。空を理解せず,いたずらにマントラを唱えないこと。然るに仏教は,空に尽きるということか。
世界中の全ての宗教は苦しみに打ち勝ち,幸福を増大させたいという,私たちの根本的な願望に対処しうる為の,様々な手段を持っている。
世界の全ての宗教はなんらかの形で,愛,慈悲,寛容,罪の赦し,そして自己修養の重要性を強調している。
苦しみの心の源から完全に解放されることができれば,それは苦しみの本当の止滅であり,真の解脱である。
私たちが目指すべきことは,空性を完全かつ明白に理解できるようになることである。これこそが私たちを苦しみから完全に解放する唯一の道である。もしあ なた方が空性をはっきりと理解しないまま,マントラの朗誦や諸尊観想を行っていたとしたら,これは私たちの迷妄を打ち砕く力になるどころか,むしろ世界や 自我を客観的実在として捉えてしまう私たちの錯誤をより強固なものにしてしまう可能性すらあるのである。
色は,空性によって作られているということもできるだろう。したがって「空は色である」という言葉は,色が空性から生じた何らかのものであること,つまり,色が空性の現れ,ないし発現であることを意味していると理解することができる。
「空は色である」という言葉は,空性が縁起として生じているということを示しており,これを理解することによって,虚無論という極端な見解を排除し,事物は,存在しないと言う誤った信念を克服することができる。

七因果口訣とは,全ての生き物をあなたの最愛の人物であると観想して更に,愛する全ての生き物から,最大限の親切心を受け取っていると観想する方法であ る。執着に基づかない親近感を育てること。そうすることで,他者が苦しんでいることに我慢ができなくなる。やがて,他者が苦しみから解放されている姿を見 たいという願望が強くなり,やがて私たちは,自らの身を挺して彼らを苦しみから救いたいという慈悲のろ心を起こすようになる。