セカンド・サイト (文春文庫)
中野 順一
文藝春秋
2012-09-20



 第20回(2003年)サントリーミステリー大賞受賞作。
 この作品が本賞の最後の受賞作。
 ちょうど私の父が亡くなった年で今年が17回忌ですからなあ,ミステリー大賞というものがはやらなくなってきたということなのだろうか。
 それはともかく本作は珍しく,ドラッグ絡みですなあ。
 ちょっと辛口の評価もあるようだが,読んでいて嫌味がないのはなによりではなかったか。
 ただ心に刺さる深みがなくて,時間とともに忘却される運命にあるようだ。
 今まで様々な受賞作を読んできたが,こりゃあ選ぶほうが大変ですよ。
 選んだら選んだで読み手から文句は言われるし,当然出品者からも文句が出るだろうし。
 でも読み手は期待して受賞作を読むのであるから,ミステリーを冠にする以上,せめて,読み手と同様にミーハーな語り手,優秀な探偵,度肝を抜くトリック,それをラップする人間模様という定型があるかないかだけでもチェックしてほしいものだ。