第7回(2008年)「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。
 ライトノベルで本賞に値するのかい,ダブル受賞で,臨床真理,に並ぶのかい,なんて感想が会ったのは確かだ。
 選ぶというのは主観が入るから,好き好きでということになろうが,果たして本作が,読み手に匹敵するミーハーの語り手,優秀な探偵,驚天動地のトリック,少しだけの人間模様があったのかは疑問だ。
 ただ,テロとか,大国の大統領の誘拐とか,興味ある素材を切っているのは面白い。
 ミステリーを語るのであれば,定型に則った作品を選定すべきだと私は思う。
 そうしないと本物のミステリー作家が育たない。
 本来ミステリー作品にアクションが必要なのかどうか。
 そもそもミステリーは知的スポーツとして育まれてきたはずだ。
 そのことを思うと今更ながら,本賞であっても物足りないものがあるのにがっかりさせられる。