臨死体験 上 (文春文庫)
立花 隆
文藝春秋
2000-03-10


臨死体験 下 (文春文庫)
立花 隆
文藝春秋
2000-03-10

 

 上巻、下巻の大作。
 この本を書くためにどれだけの資料を集めどれだけ読んでまとめたか伺い知れるページ数である。
 しかしながらなんの結論が示されていないのが残念でならない。
 現実にこの本は図書館では他の霊感者と同じ本棚に陳列してあった。
 すなわち臨死体験とは霊的なものか否か。
 そのナイーブな命題にこの本は答えていないのだ。
 ただただ臨死体験の羅列。
 そこから読み手が勝手に判断せよ、俺はここまで読み込んだのだから俺のレベルまで来てみな的な、そんな感もするのである。
 そしてこれらの羅列の中にはどうも臨死体験ではないと思われるもの、明らかに夢にしか過ぎないものもあった。
 臨死体験が脳の作用によるものと決めつけるのは簡単である。
 現在の脳科学ではどうもそのように決めつけつつあるのではないか。
 反面たとえば恐山に行って懐かしい人の霊を呼び出してもらい話を聞いて安心している人たちも沢山いる。
 臨死体験や霊現象が科学的に明らかになったらこの人たちの大きなバックボーンになるはずだ。
 その意味でこの本はそのような立ち位置に立つはずだった。
 結論がないのが返す返すも残念でならない。