夕顔絵夢二郎の江戸ハブ日記

映画・読書・走る・仏教=江戸ハブ、でしたが、走る、は、泳ぐ、に変わっております。そのほか、ギター弾き語り、絵手紙、料理、が主な趣味です。最近は、神道の勉強もしております。

タグ:山村美紗

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京都不倫旅行殺人事件

著者: 山村 美紗

 

 ヒロインのひとりごと、一人芝居が長すぎる。

 また、狩谷警部が人を疑いすぎる。

 その辺が実にうそ臭いから、リアリズムを求める私たちにとっては、本当のことを言うともう読むのをやめたいと言うことになるのである。

 それから、密室トリックが解けたからと言って終わりではない。

 そのトリックと犯人の結びつきも必要だし、何より立証しなければならないではないか。

 この辺が実に強引だ。

 それにしても、トリックつまり小説で手品をすると言うことは凄い。それは、認める。

 それにストーリー性を絡ませなければならないから、推理小説というものを一本書きあげると言うことは、実に大変なことではあろう。

 まして、連続ヒット中の売れっ子作家と言うことであれば、かなりなハードスケジュールだったろうな。それで、早く亡くなったのだとすれば、殉職的な部分もある。

 今回は、著者が京都を舞台にする高名な作家であるから、ちょうど、京都中心の旅をすることになり、京都という舞台に浸ろうと思って選んだのだった。

 ところで、本作はもう10年以上も前のものであり、少し古くなったという感じは否めない。

 推理小説は、まずトリックを考えなければならない。そして、犯人性だ。犯人には、動機と機会と方法がなければならない。更に、私は、リアリズムというものも要求する。

 著者は、無理をしていないからいいが、著者の愛人と言われた西村京太郎氏にあっては、逮捕状もないのに逮捕したり、警察官が起訴したりと読むに耐えない記述が続いていた。

 そのような本を読んだ読者は、そのとおり覚えてしまうのではなかろうか。

 少なくとも日本国の法体系に則ってほしい。それが最低のリアリズムだろう。

 しかし、京都を歩いてみて思ったのだが、本当に京都って、ミステリーが似合う。

 

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京都清水坂殺人事件

著者: 山村 美紗

 

 密室で、接着剤なんてあり?

 正にトリックというか、奇術というか。

 そんなところが作者の魅力だったのだが、残念ながら早くに亡くなられてしまった。

 娘さんが、著者原作のテレビドラマに良く出ているし、著者の世界を微妙に表現していて、その世界に浸ることが出来ることもあるが、やはり、山村美紗ワールドというのは、原作の世界にしかあり得まい。

 ところで、28歳の小娘が警視で、検視官なんてあり得ない。

 リアリズムを大切にしてほしいところだ。

 女性の鑑識係は、全国にたくさんいるのだから、そんな無理にキャリアを出演させないで、現場の警察官を大事にしてほしいものだと思った。

 でも、陶芸に対する取材は、凄い。

 かなり、一生懸命歩いたんだろうな。

 このくらいの取材を警察にもしてほしい。そうすれば、もっともっと山村ワールドが膨らんだろうに。とても残念だ。

 ところで本作は、銀婚旅行中に読んだものである。従って臨場感があふれ過ぎるほどだ。

 本作の死体遺棄現場である五条坂もきちんとこの目で見てきた。著者自身が京都に住んでいた関係で特に京都について詳しいのだと思うが、京都という町は、ミステリー向きなんだろうな。

 それにしても日本という国は、ミステリー好きだ。

 この種の本が年間どれだけ出版されるのだろうか。

 さらに、この種の本を原作にしたミステリードラマは、毎日放映されている。

 視聴率が高いせいだろう、再放送も頻繁だ。

 それだけ日本人は、殺人事件が好きなのだろうか。

 凄惨な殺人事件を演出する割に、軽薄な動機が付きもので、結局、名作などと呼ばれるものは、ほとんど現出しない。

 それでも、視聴者あるいは読者は、楽しんでいるのだ。他国の方が見たら、実に不可思議な現象だと言うことになろう。

 仮想世界で楽しんで、現実には、起こっていないのだから、精神衛生上極めて良好なのかも知れない。しかし、近年は、にもかかわらず、凄惨な殺人事件が多すぎる。

 

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